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ベンチャーの選考対策

「第一志望ですか」の答え方、第一志望でない場合の伝え方と準備

公開 この記事は約12分で読めます

面接の「第一志望ですか」は、入社意欲と志望理由の一貫性を同時に確かめる質問です。嘘をついて取り繕うと、続く深掘り質問や他社の選考状況の質問で矛盾が出ます。この記事では、第一志望の場合・志望群の場合・まだ決めかねている場合の3パターンに分け、ベンチャーの選考で使える答え方の型と準備を整理します。

先に結論

  • 「第一志望ですか」は入社意欲とともに志望理由の一貫性を確かめる質問で、答えた内容を続く深掘りで検証されます
  • 第一志望の場合は「御社が第一志望です」と言い切り、理由を2つの事実(事業・人・制度の具体)で裏づけます
  • 迷い中の場合は「第一志望群です」と答え、比較している他社名ではなく「比較している軸」を話すのが安全です
  • 嘘をつくかどうかを含め、どの答え方にも準備が必要で、同じ場で聞かれる他社の選考状況との整合も用意しておきます
  • 答えた直後に内定承諾書の提出や他社の辞退を迫られた場合は、就職問題懇談会が「オワハラ」として企業に慎むよう要請している範囲に当たります

この記事で分かること

  • 企業が「第一志望ですか」と聞く3つの理由と、どこを採点されているのか
  • 第一志望の場合・志望群の場合・迷い中の場合の答え方の型と、使うべき言葉・避ける言葉
  • 「第一志望ではない」ことを隠さずに熱意を伝える文例と、矛盾が出ないための準備
  • 他社の選考状況・併願先を聞かれたときの答え方(業界バラバラでも軸が通っていればよい)
  • その場で承諾を迫られたとき(オワハラ)の対処と相談先

「第一志望ですか」と聞かれたときの答え方を、志望企業ごとに一緒に組み立てます。

「第一志望ですか」を企業が聞く3つの理由

結論として、企業はこの質問で「入社意欲」「志望理由の一貫性」「内定後の辞退リスク」の3点を見ています。順に押さえると、答え方の設計がぶれません。

入社意欲の強さを確かめる

企業は、内定を出したときに来てくれる可能性がどれくらいあるかを数字で管理しています。株式会社キャリタスが企業を対象に実施した「2027年卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査」(調査期間2026年6月29日~7月8日、回答1,022社、2026年7月27日公表)では、27卒の内定者充足率の平均が54.3%で、7割強の企業が28卒も27卒と同じかそれ以上の人数を採用する予定と答えています(キャリタス プレスリリース(新しいタブで開きます))。採用枠を満たせていない企業ほど、志望度のランクを早く確かめたくなる傾向があります。

志望理由の一貫性を検証する

「第一志望です」と答えた直後に、面接官は「なぜ第一志望か」「他社と比べて何が違うか」と深掘りします。志望理由と結論がかみ合わないと、答え全体の信頼が下がります。先に用意した志望動機を、第一志望の根拠として言い直せるかを試されています。

内定後の辞退リスクを下げたい

学生側は、民法627条1項により、期間の定めのない雇用契約として2週間前の申し入れで解約できるのが原則です(e-Gov 民法(新しいタブで開きます))。内定の性質は、判例上「始期付解約権留保付労働契約」の成立と解されています(最高裁 1979年 大日本印刷事件)。企業側は辞退を止められないので、内定を出す前に本気度を聞いておきたい、という事情があります。

答え方の基本型と、どこを採点されているか

答え方は「結論→理由→具体」の順で、1分前後にまとめるのが基本です。志望理由の面接対策とつなげて準備すると、同じ素材を使い回せます。

項目内容字数の目安
結論「御社が第一志望です」「御社は第一志望群の1社です」など、志望度の言い切り1文(15~25字)
理由事業・人・制度のうち、他社と比べて特に惹かれた1~2点2~3文
具体説明会・インターン・OB訪問で見た事実、採用ページで確認した制度など、裏づけになる事実2~3文
締め入社後にやりたいことを一言添える1文

採点されているのは、志望度の高さそのものよりも、「言葉と事実のつながり」です。「御社の〇〇という事業に惹かれています」で終わらず、どの説明会・どの資料で何を見たから惹かれたのか、までを言えると、志望度が自然に高く伝わります。

答え方のよくある3つの型

採用面接でよく使われる型を、ベンチャーの選考に合わせて整理します。

型使う場面言い方の例
第一志望第一志望であることが本当「御社が第一志望です。理由は~」
第一志望群本命が複数ある/比較中「御社は第一志望群の1社です。〇〇という点で特に強く惹かれています」
現時点では未決定迷っている・情報が揃っていない「正直に申し上げると、現時点では3社で比較中です。御社については〇〇の点で志望度が上がっています」

勢いで「第一志望です」と答えても、続く深掘り質問や他社の選考状況の答えと軸がかみ合わないと、かえって志望度が低く見える結果になります。 第一志望の型で答えると決めるなら、志望理由と他社の軸まで一貫して用意しておく必要があります。本音と違う答え方を無理に押し通すより、本音に近い型で深掘りに耐える準備をする方が、面接全体の評価は安定しやすくなります。

第一志望ではない場合の文例と準備

結論として、第一志望でなくても、志望度を具体的に伝えられれば、それだけで直ちに不利になるとは限りません(企業や選考段階によって評価は分かれます)。本音に近い型で、どう組み立てるかを分けて書きます。

「第一志望群です」と答える文例

現時点では御社を含む3社を第一志望群として比較しています。 御社に特に惹かれているのは、〇〇という事業の進め方と、 説明会で伺った△△という評価制度の点です。 入社後は□□の仕事で成果を出したいと考えています。

  • 「第一志望群です」とだけ言うと、どこを比較しているかの深掘りに対応できません。惹かれている理由を1~2点、セットで話すのが安全です
  • 比較している「他社名」ではなく、「比較している軸」(事業・人・制度・成長環境など)を話す方が、面接官の関心に合います

「正直まだ決めかねている」と答える文例

正直に申し上げると、現時点では決めかねている段階です。 御社の選考を通して、〇〇の点では志望度が高まりました。 一方で、△△については本日の面接でもう少し伺えればと思っております。

  • 迷いを認めつつ、「今日の面接で何を確かめたいか」まで一緒に伝えると、志望度の低さではなく情報収集中の姿勢として受け取られやすくなります
  • 直後の面接官からの質問に答える流れを自分で作れるため、「御社のここが気になっているから質問したい」という形で、好印象につながる場合があります

文例を自分の言葉に直すコツ

テンプレートをそのまま読むと、同じ会社の過去の応募者と似た答え方になり、採用担当者には「見覚えのある型」として聞こえます。ベンチャー面接で聞かれる質問と答え方で紹介している志望動機の素材を使い、1社ごとに具体名詞を2つ以上入れ替えると、オリジナリティが出ます。

自分の準備がどこまで進んでいるかは、面接の準備度チェック(12問・約2分)で確かめられます。

就活生

「御社が第一志望です」と嘘をついた方が通りやすいんでしょうか。嘘をついて後からバレるのが怖いです。

ベンチャールーキーズ編集部

嘘をつくかどうかより、「結論と理由がかみ合うか」の方が選考の通過に効きます。嘘でも深掘りに耐えられる準備ができていれば、評価は下がりにくいです。逆に、本当のことを言っていても、「なぜ第一志望か」の説明が薄いと、志望度が低いと判断されます。

迷っている人は「第一志望群です」の型で練習すると、嘘の負担を抱えずに志望度を伝えられます。「比較軸」を2つ用意しておくと、深掘りにも対応しやすくなります。志望理由と自己PRをどう組み立てるかで迷ったら、ベンチャー向け自己PRもあわせて参考にしてください。

嘘をつかずに志望度を伝える答え方を、志望企業ごとに一緒に組み立てます。

他社の選考状況・併願先を聞かれたときの答え方

「第一志望ですか」の直後、または同じ面接で「他社はどこを受けていますか」と聞かれる場面はよくあります。答え方は、業界と軸の両方で整理しておくと安全です。

聞かれ方答え方の方針例
他社はどこを受けているか社名を2~3社出し、業界ではなく「軸」で説明する「A社・B社・御社の3社で、〇〇の仕事ができる環境という軸で見ています」
大手も受けているか隠さずに答え、ベンチャーと大手で何を比べているかを添える「大手も1社受けています。〇〇の仕事に関われる時期で比べています」
内定はもう出ているか事実を話す。出ている場合は、御社の選考を続けている理由を一言添える「C社から内々定をいただいています。御社については〇〇の点で志望度が高く、最後まで選考を受けたいと思っています」

業界がバラバラでも「軸」が通っていれば説明として納得されやすい

ベンチャーのマーケ、大手の広告、SIer、商社など、業界がバラバラでも、受けている理由の軸が1本通っていれば、面接官に説明として納得されやすくなります。軸を言葉にできる方が、志望理由と自己分析の深さも伝わりやすくなります。就活の軸の決め方で書いた「嫌なことから軸を作る方法」が、この答え方の下敷きになります。

評価が落ちやすいのは「社名の飾り」よりも「軸がぶれた」とき

他社の社名を取り繕っても、志望理由と選考軸が一貫していなければ、深掘りで矛盾が出て信頼を落としかねません。面接官が気にしているのは、社名そのものよりも、「御社が第一志望です」と答えた理由と「他社はこういう軸で見ています」の軸がかみ合うかどうかです。社名の見せ方よりも、軸の言語化に時間を使う方が、面接全体の通過率を上げやすい取り組みです。

大手とベンチャーで迷っている場合の答え方

ベンチャーの面接で「大手も受けていますか」と聞かれたら、隠さずに答えるのが基本です。企業側も、学生が大手と比べていることは把握しています。隠そうとすると、「大手を落ちた理由を言えないから隠した」のように受け取られる場合もあります。

迷いを認めた上で、何を比べているかを話す

正直、大手も1社受けています。 〇〇の仕事に、入社後早い段階で関われるかどうかを比べているところです。 御社の△△という配属の仕組みは、その軸で見ると強く惹かれています。

  • 「大手ではなくベンチャー」と断定しない方が、無理のない答えになります
  • 比較している軸を話せば、「ベンチャーを本気で選ぼうとしている学生」として伝わります
  • 大手との比較の切り口はベンチャーと大手はどっちがいいかで整理しています

公務員と迷っている人の答え方

公務員と迷っている場合も、同じ型で答えられます。安定を重視するか、仕事の裁量を重視するかの軸で、自分がどこを比べているかを話します。ベンチャーか公務員かで軸の整理の例を紹介しています。

よくある失敗と対策

答え方で評価を落としやすい3つの失敗を整理します。あてはまる項目があったら、対策側の書き方で練習してください。

  • 「第一志望です」と結論は言えても、理由を1文で終わらせている(事業名・制度名などの具体を2つ以上入れる)
  • 他社の選考状況を聞かれて「御社だけです」と嘘をつき、後の質問で業界が広がる話をしてしまう(業界ではなく軸で答える)
  • 「御社の〇〇に惹かれて」の〇〇が、採用ページのトップに書いてある言葉そのまま(説明会・インターン・OB訪問で見た事実に差し替える)
  • 迷っている事実を隠そうとして、志望理由の深掘りで詰まる(「第一志望群」や「現時点では未決定」の型を使う)
  • 大手を受けていることを隠して、「御社しか見ていません」と言い切る(軸を話せば、大手併願は不利にならない)

よくある質問

本音と違う答え方で「第一志望です」と答えると、面接官に見抜かれますか

社名を直接確かめる手段は面接官側にほぼありませんが、評価が下がりやすいのは、「第一志望です」と言った理由と、他社の選考状況や自己PRで話した内容の軸がかみ合わない瞬間です。本音と違う答え方を選ぶ場合も、志望理由と選考軸を一貫して用意しておかないと、かえって志望度が低く見えやすくなります。

第一志望ではないと正直に答えると、落ちますか

落ちる原因になるのは「正直に答えたこと」ではなく、「志望度を具体的に伝えられないこと」です。「第一志望群です」と答えた場合も、惹かれている理由を2つ以上、事実とセットで話せれば、志望度は伝わります。

「第一志望群」の答え方で、何社まで含めてよいですか

明確なルールはありませんが、3社前後にすると、比較している軸を具体的に話しやすくなります。10社以上を志望群と言うと、志望度の高さが薄まって聞こえる場合があります。

大手も受けていると答えたら、ベンチャーの選考で不利になりますか

大手との併願だけで不利になることは、通常ありません。企業側は、学生が大手と比べていることは把握しています。むしろ、比較している軸をはっきり話せる方が、志望理由に深みが出ます。

内定が出ている他社名を聞かれたら、答えるべきですか

事実を話す方が安全です。社名を隠そうとすると、「御社に全集中している」という文脈と矛盾し、信頼を落としかねません。社名を伝えた上で、「それでも御社の選考を続けている理由」を一言添えると、志望度が高く伝わります。

面接で「第一志望です」と答えた後、内定承諾を強く迫られたらどうすればよいですか

就職問題懇談会は、企業への要請として、内々定段階での内定承諾書・誓約書の要求や他社の選考辞退の強要を「オワハラ」として慎むよう求めています(文部科学省 令和9年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(新しいタブで開きます)、令和8年3月24日)。内閣府の調査では、26卒の学生の8.3%がオワハラを受けた経験があると答えました(学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査(新しいタブで開きます)、令和7年度、n=3,375)。即答を避け、大学のキャリアセンターや労働局に相談するのが安全です。内定辞退で引き止められたときの対応で、具体的な断り方を解説しています。

面接の最後に「第一志望ですか」と聞かれたら、合格のサインですか

合格のサインとは限りません。内定を出す候補者の志望度を確かめる場面で聞かれることが多いのは事実ですが、志望度を聞くだけ聞いて見送られる例もあります。質問の意味で合否を推測するより、答えの中身で合格率を上げる準備に時間を使う方が確実です。

「第一志望です」と答えた会社に、後で辞退を伝えてもよいですか

伝えられます。学生側からの内定辞退は、民法627条1項により2週間前の申し入れで解約できるのが原則です(e-Gov 民法(新しいタブで開きます))。「第一志望です」と答えたこと自体で、辞退が法的に制限されることはありません。内定辞退で引き止められたときの対応で、伝え方の順番を整理しています。

第一志望の答え方は、面接の種類で変えた方がよいですか

一次・二次面接では「御社に惹かれた具体の理由」まで、最終面接・社長面接では「御社でやりたいこと」まで言い切るのが基本です。志望度の表現は変えず、理由の掘り下げの深さを調整します。ベンチャー最終面接・社長面接で見られる3軸に、最終面接で見られる観点をまとめています。

まとめ

面接の「第一志望ですか」は、入社意欲と志望理由の一貫性を同時に見る質問です。嘘でも本当でも、結論と理由と軸がかみ合うことが評価につながります。要点を5つに整理します。

  • 答え方は「結論→理由→具体」の順で1分前後、2つの具体名詞を入れる
  • 第一志望・志望群・未決定の3パターンから、本音に近い型を選ぶ
  • 他社の選考状況は、業界ではなく「軸」で答えると矛盾しにくい
  • 大手との併願は隠さず、比較している軸をはっきり話す
  • 承諾を強く迫られる場面に備え、大学のキャリアセンターなどの相談先を確認しておく

答えの型だけ覚えても、具体名詞と軸が自分の言葉になっていないと通りません。面接の準備度チェックで、志望理由と軸の言語化がどこまでできているかを確かめてから、志望企業ごとに答えを組み立ててみてください。28卒の面接対策で、面接全体の評価軸と準備の順番を整理しています。

運営:株式会社ヘルスベイシス/ベンチャールーキーズ編集部

大手比較志望動機面接

ベンチャールーキーズ編集部
公的機関や調査会社が公表しているデータをもとに記事を作成しています。ES添削・面接対策などの相談には、新卒採用の選考に携わってきたメンバーが対応します。

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