ベンチャーのマーケティング職に新卒で就くには、求められる経験と準備の順番

ベンチャーのマーケティング職とは、少人数で広告運用・SEO・SNS運用・分析を横断的に担う仕事で、公開されている採用ページでは新卒を職種別採用で募集する会社も一部に見られます。求められるのは特定ツールの経験よりデータリテラシーと仮説検証の姿勢で、準備は基礎学習→実践→選考用整理の順で進めると詰まりにくくなります。
先に結論
- ベンチャーのマーケティング職は、企業や事業ステージによる差はあるものの、広告運用・SEO・SNS運用・CRM・イベント・分析の6分類を一人が複数兼ねるケースが公開募集で見られる。大手のように手法ごとに専任を置く体制は、少人数の組織では限られる傾向
- 新卒に求められるのは特定ツールの経験より、データリテラシーと仮説検証の姿勢。「数字を見て次の一手を決められるか」を公開募集で言及する会社が複数見られる
- 準備は①基礎学習→②自分で手を動かす→③選考用に整理の順で進める。編集部の整理による進め方の一例として、基礎学習2~4週間、実践1~2か月、整理2~3週間ほどで組む方法がある。公的な客観値ではなく、個人差が大きい
- 職種別採用で募集するベンチャーもあるため、応募する会社が「職種別採用か総合職採用か」を募集要項で先に確認することが前提になる
- 文系・理系・未経験のいずれからでも応募できる会社がある。エンジニア職と違い、応募時点でポートフォリオの提出を資格要件とする会社は少ない傾向で、学習の過程と考え方を言葉で説明できるかが勝負になりやすい
この記事で分かること
- ベンチャーのマーケティング職の仕事内容(6分類と、新卒が最初に任されやすい業務)
- 大手のマーケティング職と何が違うか(業務範囲・予算規模・分業の程度)
- 新卒で求められる3つの要素(データリテラシー・文章力・仮説検証の姿勢)
- 選考までに準備するものと、学習~実践~整理の順番
- 文系・理系・長期インターン経験ありのケース別の進め方
- ES・面接で見られる3つの観点と、よくある失敗
マーケティング職が自分の強みに合うかの確かめ方を、一緒に整理できます
ベンチャーのマーケティング職は何をするか、業務の全体像
ベンチャーのマーケティング職は、見込み顧客を増やし、継続して使ってもらえるようにする仕事です。大手では手法ごとにチームが分かれますが、少人数の組織では一人が複数手法を担当するケースが見られます。採用ページで「マーケティング職」の募集要項を読み比べる前に、業務の全体像を押さえておくと差が見えやすくなります。
6つの業務分類と、新卒が最初に触れやすい領域
| 業務分類 | 主な内容 | 新卒が最初に触れやすいか |
|---|---|---|
| 広告運用 | リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告の入稿、予算配分、配信結果の分析 | 触れやすい(運用の実務から任される会社が多い) |
| SEO・コンテンツ | 記事企画・ライティング・内部リンク設計、検索順位の分析 | 触れやすい(記事制作や編集補助から入ることが多い) |
| SNS運用 | 企業アカウントの投稿、エンゲージメント分析、キャンペーン企画 | 触れやすい(学生時代の運用経験が活かしやすい) |
| CRM・MA | メール配信、ステップメール設計、スコアリング、顧客セグメント分析(CRM:顧客関係管理、MA:マーケティング自動化) | 中程度(ツール操作とデータ整形を学んでから任されやすい) |
| イベント・展示会 | ウェビナー運営、オフラインイベント・展示会の企画と当日運営 | 触れやすい(当日運営や集客で入ることが多い) |
| 分析・レポート | GA4(Googleアナリティクス4)・広告管理画面・BI(ビジネスインテリジェンス)ツールでの数値集計、週次・月次レポートの作成 | 中程度(他業務と並行して任される) |
出典:各業務の職業分類の枠組みは、厚生労働省編職業分類(JILPT 第5回改定の解説ページ(新しいタブで開きます)・令和4年改定)および職業情報提供サイト「jobtag(新しいタブで開きます)」(「マーケティング・リサーチャー」「Web広告運用者」等の職業情報)を参照しました。表の「新卒が最初に触れやすいか」の列は、2026年10月時点でベンチャールーキーズ編集部が公開情報として参照できたベンチャー複数社の新卒向け職務記述(n=15社程度)を観察して整理した一般的な傾向で、会社・事業ステージによる差があります。応募時点では採用ページの職務記述を併せて確認します。
新卒がベンチャーで最初に触れやすい業務の一例(公開募集で見られる例)
職種別採用で入社した新卒の初期業務の例として、広告運用の数値確認とレポート作成、SEO記事の企画補助とライティング、SNS投稿の作成と効果測定が募集要項に書かれているケースがあります。これは2026年10月時点でベンチャールーキーズ編集部が公開情報として確認できた複数社の採用ページ・新卒向け職種紹介に見られた記述の例で、会社・事業ステージによる差が大きく、全ての会社に当てはまる客観データではありません。「初期から全体戦略の設計を任される」会社もあれば、「特定の手法の実務から始まる」会社もあり、採用ページとカジュアル面談で個別に確かめます。
少人数の組織では、分業の線引きが曖昧です。マーケティング職として入社しても、営業の資料作成を手伝う、カスタマーサクセス向けのメール文面を考える、といった横断的な動きが発生することがあります。「マーケティングの何に集中できるか」は、採用ページの業務内容と、カジュアル面談での「新卒入社の社員の1日の過ごし方」で確かめます。入社後の実情全般はベンチャーの教育体制はどうなっているか、研修がない会社と育つ会社の違いで整理している観点が参考になります。
新卒がベンチャーのマーケティング職で求められる経験・スキル
結論から言うと、応募時点でマーケティングの実務経験が「必須条件」として記載されていない募集も、2026年10月時点で複数社の採用ページで確認できます。長期インターン経験がある学生は志望理由を具体化しやすい面がありますが、「未経験歓迎」と明示している会社もあり、公開されている募集要項の記述例では、ツール経験そのものより、数値をもとに考えた経験や改善姿勢に触れる記述を見かけるケースがあります。「未経験でも全員が受かる」という意味ではなく、応募の資格要件として実務経験を明示しない会社があるという事実の確認です。
公開募集で見られる要件の例(会社差あり)
| 要素 | 公開募集で言及されやすい具体的な行動 | 準備の目安 |
|---|---|---|
| データリテラシー | 数値を見て、仮説を立て、次の一手を言語化できる | GA4の基本操作、Excel・スプレッドシートで集計・グラフ化 |
| 文章力 | 読み手を想定した情報整理、要点の抽出 | ブログ・SNSで200字~1000字の投稿を継続する |
| 仮説検証の姿勢 | うまくいかなかった原因を言葉で説明できる、改善案を複数持てる | 身近な事例(授業・バイト・サークル)での試行と振り返り |
出典:この表は、2026年10月時点でベンチャールーキーズ編集部が公開情報として参照できたベンチャー複数社(n=15社程度。業種はBtoB SaaS・Web広告・EC・人材・メディアを中心に、新卒向けマーケティング職の採用ページを公開している企業から抽出)の募集要項で言及されていた要件を、ベンチャールーキーズ編集部が整理した一般的な傾向です。会社ごとの要件は募集要項で大きく異なり、全ての会社に共通する客観基準ではないため、応募検討時には個別の募集要項で該当の記載があるかを確認します。「準備の目安」の列は、各要素を学ぶときに取り組みやすい具体例として編集部が整理したもので、必須の基準ではありません。
「経験」として評価されやすい具体例
次のような経験は、新卒のマーケティング職の選考で言及されるケースが見られます。持っていないと落ちるわけではなく、持っていれば志望理由が具体化しやすいという位置づけです。授業・バイト・サークルから「数字を見て動いた経験」を1つ取り出せれば、応募段階では十分なケースがあります。
- 長期インターンでのマーケティング業務(広告運用、SEO記事制作、SNS運用など)
- 学生団体・サークル・部活動での集客経験(イベント企画、SNS拡散、フライヤー配布)
- 個人ブログ・個人SNSの運営経験(PV・フォロワー数の推移を数値で把握している)
- 広告運用やデータ分析の資格・修了証(Google広告認定資格、Google アナリティクス個人認定資格など)
長期インターンでの実務経験については、ベンチャーの長期インターンは意味ないか、就活につながる人の4つの違いで就活への接続の仕方を整理しています。
インターンシップの制度上の位置づけについて補足します。文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省合意(令和4年6月13日 一部改正/文部科学省 大学等におけるインターンシップの推進(新しいタブで開きます))では、学生のキャリア形成支援を4類型に分けています。タイプ1「オープン・カンパニー」、タイプ2「キャリア教育」、タイプ3「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」、タイプ4「高度専門型インターンシップ(試行)」で、「インターンシップ」と称するのはタイプ3・4だけで、就業体験が必須です。タイプ3では、要件(実施期間の半分を超える日数が就業体験、社員による指導とフィードバック、汎用能力活用型は5日間以上・専門活用型は2週間以上など)を満たせば、企業が取得した学生情報を広報・採用選考に使えます(詳細は三省合意の概要資料(新しいタブで開きます))。マーケティング職の長期インターンは、就業体験を伴うのが通例でタイプ3に該当するケースが多いですが、応募前に募集要項の表記(「オープン・カンパニー」か「インターンシップ」か)を確認します。
新卒採用全般の実態は、厚生労働省「若年者雇用実態調査」(新しいタブで開きます)、インターンシップの参加率は内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」令和7年度(新しいタブで開きます)(26卒の学生のうち「インターンシップと呼称されるもの」に参加した割合は74.6%、n=3,375)が公的統計として参考になります。
ベンチャーのマーケティング職の準備、順番と期間の目安(未経験者向けの一例・編集部の整理)
準備は、基礎知識のインプット→手を動かすアウトプット→選考用の整理、の3段階で進めると詰まりにくくなります。進め方の一例として、インターン未経験から始める場合は全体で3か月程度の期間を想定する方法があります。この期間と順序はベンチャールーキーズ編集部の整理による目安で、公的統計や調査に基づく客観値ではありません。 学業と並行する前提の目安で、個人差があり、集中して取り組めば短縮できます。既に実践経験がある学生は、①②を省略して③から入るなど、自分の状況に合わせて組み替えます。
準備の3段階と、各段階の目安期間(未経験者向けの一例)
| 段階 | 内容 | 目安期間(編集部整理) | アウトプットの目標 |
|---|---|---|---|
| ①基礎学習 | マーケティングの基本用語、Web広告・SEO・SNS・GA4の仕組みを本・公式コースで学ぶ | 2~4週間(目安) | 専門用語を自分の言葉で説明できる |
| ②実践 | 個人ブログやSNS運用、学生団体の集客を担当する。数値を記録する | 1~2か月(目安) | 数字の変化と、変化の理由を1つ説明できる |
| ③選考用整理 | ESの草稿、志望動機、過去の経験の言語化、面接の想定問答を作る | 2~3週間(目安) | 第三者に説明して伝わる状態にする |
出典:準備の3段階の順序および各段階の目安期間は、学習と実践を両立しやすい進め方として、ベンチャールーキーズ編集部が整理した一例です。公的統計や調査に基づく客観値ではなく、個人差があります。学業や他活動との兼ね合いで調整してください。
基礎学習・実践・整理の中身
基礎学習の目的は、採用ページ・面談・ESで使われる用語を理解することです。本1冊+オンライン講座1つ+資格学習のいずれか、を組み合わせると広く触れられます。公式が提供する学習コース(Google が公開している「スキルショップ」など)では、デジタルマーケティングの基礎やGA4の操作が学べます。重要なのは全部やろうとしないことです。広告運用・SEO・SNS運用・CRM・分析のうち、興味がある領域から2つに絞って深掘りするほうが、面接で話せる内容が増えます。
実践では、学んだ内容を自分の環境で試します。個人ブログの運営、SNSアカウントの運用、学生団体のイベント集客、知人の店舗の販促手伝いなど、数字が記録できる場なら何でも題材になります。ポイントは、途中経過で数字を記録することと、変化の理由を言語化することです。「3か月で記事を10本書いた」「フォロワーが100人増えた」といった結果だけでなく、「月1回の分析で、CTR(クリック率)の高い記事のタイトル構造が特定の形に偏っていた」のような観察を残します。
選考用の整理では、実践した内容をESと面接で話せる形にします。「何を」「なぜ」「どのように」「どんな結果に」の順で言語化します。採用側が見ているのは数字そのものではなく、数字を見て次の行動を決めた思考の過程です。ESの書き方の詳細は、ベンチャーのエントリーシートの書き方|大手と違う5つのポイントで整理しています。

就活生
マーケティングの長期インターン経験がないと、新卒でベンチャーのマーケティング職に就くのは難しいでしょうか。授業や学生団体の活動くらいしか話せる経験がなく、応募していいか迷っています。

ベンチャールーキーズ編集部
長期インターン経験がなくても、ベンチャーのマーケティング職の選考に進める会社はあります。本記事で整理したとおり、評価の中心は実務経験の有無ではなく、数字を見て考えられるか、仮説検証の姿勢があるかです。授業・サークル・バイトでの「数字を見て判断した経験」を1つ取り出せれば、志望理由として成立します。
ただし、応募前に基礎学習と実践の3か月を済ませておくと、面接で話せる具体例が増え、志望理由の具体性を出しやすくなります。公開されている公式コースと、個人ブログ・SNSでの小さな実践を組み合わせるだけでも、応募時点での準備の中身が変わります。「経験が足りない」と動かないよりも、「残り3か月で何を実践するか」を決めるほうが、面接で話せる内容を用意しやすくなります。
マーケティング職の志望理由と、残り期間での準備内容を整理できます
ベンチャーと大手でマーケ職の働き方は何が違うか(編集部の整理)
職種名は同じでも、業務範囲・予算規模・分業の程度が変わります。応募前に違いを押さえておくと、志望理由の説明に厚みが出ます。この章は、2026年10月時点で公開されている複数のベンチャー・大手の採用ページの職務記述を、ベンチャールーキーズ編集部が整理した一般的な傾向で、個別企業の実態は採用ページとカジュアル面談で確認します。
業務範囲・予算規模・分業の違い(編集部の整理・会社差あり)
| 観点 | ベンチャー(少人数組織)で見られる例 | 大手で見られる例 |
|---|---|---|
| 業務範囲 | 一人が広告運用・SEO・SNS運用など複数を担当 | 手法ごとに専任(広告運用チーム、SEOチームなど) |
| 予算規模 | 相対的に小規模(事業ステージ・業種による) | 相対的に大規模(事業ステージ・業種による) |
| 分業の程度 | 分析と施策実行を同じ人がやる | 分析専任・施策専任で分かれる |
| 施策決定の速さ | 意思決定の階層が少ない傾向 | 稟議・社内調整の段階が多い傾向 |
| 外部パートナー | 代理店に頼らず内製する会社がある | 代理店・制作会社と協業する範囲が広い会社がある |
出典:この比較は、2026年10月時点でベンチャールーキーズ編集部が公開情報として参照できたベンチャー・大手の採用ページ・業界公開記事(n=20社程度。業種はBtoB SaaS・Web広告・EC・人材・メディアを中心に、職種別採用ページを公開している企業から抽出)の職務記述を観察して整理した一般的な傾向です。公的統計で「ベンチャーと大手のマーケティング業務範囲差」として整理された調査は限られるため、個別企業の実態は採用ページとカジュアル面談で確認します。予算規模は会社・事業ステージ・業種(BtoBかBtoCか等)によって大きく変動するため、具体的な数値は募集要項・カジュアル面談で個別に確認します。
採用ページで触れられやすい3つの観点(会社差あり)
募集要項や職種紹介で見られる一例として、以下の3つに触れる会社があります。会社・事業ステージによる差が大きいため、応募検討時には個別の採用ページで該当の言及があるかを確認します。
- 業務範囲の広さに耐えられる学習姿勢:企業や職種による差はあるものの、少人数の組織では教える側の人数も限られる傾向があります。採用ページで「自走できる人」「学ぶ姿勢」といった表現を見かける会社があります
- 意思決定への関与の深さ:大手のように数千万円の広告予算を動かす経験は限られますが、「どの施策を打つか」の判断に新卒が加わるケースがあります。採用ページで「新卒から裁量を持って動ける」といった記載がある会社があります
- 分析と施策実行の両方への関心:大手では分業が進む傾向があり、分析専任か施策専任のどちらかに偏りがちです。採用ページで「数字を見て、自分で手を動かせる」といった記述を見かける会社があります
大手とベンチャーの選び方そのものに迷いがある場合は、ベンチャーと大手はどっちがいいか、新卒の1社目を決める判断の順番で判断軸を整理しています。
ケース別:文系・理系・経験の有無で、準備のしかたをどう変えるか
出発点によって、準備の重みが変わります。自分の状況から考えて、どこに時間を割くかを決めます。
文系・マーケ経験なしの場合
準備の重点は、基礎学習と実践の両方です。学習だけで終わると、選考で話せる具体例が不足します。公開されているオンライン講座で用語を押さえた後、個人ブログ・SNSで小さな実践を1つ回します。学部や学歴より、授業・サークル・バイトで「数字を見て判断した経験」を1つ取り出せるかが優先です。
理系・データ分析や統計の経験ありの場合
準備の重点は、データ分析経験を、マーケティングの文脈に翻訳することです。研究で培った統計の知識や、プログラミング・SQLでのデータ処理経験は、マーケティング職でも評価されます。志望動機では、研究のどの部分がマーケティングに活きるかを言語化します。「分析はできるが、マーケティングの用語は知らない」場合は、業務分類と業界用語を押さえると、面接で話がかみ合いやすくなります。
長期インターンでマーケティングを経験した場合
準備の重点は、経験の整理と、他社でも通じる説明の仕方です。インターン先での業務内容を、担当した施策・使ったツール・振り返った数字で言語化します。注意したいのは、「ツール名を並べるだけ」にしないことです。「GA4とLookerStudioを使った」ではなく、「どの指標を見て、どんな仮説を立て、何を変えたか」で話すと、応募先の環境が違っても評価されやすくなります。
選考で見られること、ESと面接で評価される3つの観点
ベンチャーのマーケティング職の選考では、職種特性に即した観点で見られます。全職種共通の観点に加えて、次の3つが評価の中心になります。
選考で評価される3つの観点(公開募集で言及されやすい例・編集部の整理)
| 観点 | ESで示すもの | 面接で聞かれやすい質問 |
|---|---|---|
| 数字を見て考えられるか | 具体的な数字(PV、CVR(成約率)、フォロワー数、CTR(クリック率)など)と、その変化の理由 | 「その数字を見てどう判断しましたか」「次に何を試そうと考えましたか」 |
| 仮説検証の姿勢 | うまくいかなかった施策と、原因の分析 | 「失敗したら、どう振り返りますか」「仮説が外れたときの考え方は」 |
| 言語化・情報整理の力 | ガクチカの構造が整理されている、志望動機が論理立っている | 「マーケティングのどこに関心がありますか」「なぜベンチャーのマーケティング職ですか」 |
出典:この3観点は、2026年10月時点でベンチャールーキーズ編集部が公開情報として参照できたベンチャー複数社(n=15社程度。業種はBtoB SaaS・Web広告・EC・人材・メディアを中心に、新卒向けマーケティング職の採用ページを公開している企業から抽出)の採用ページ・新卒向け職種紹介記事で、求める人物像として言及されていた項目を整理した一般的な傾向です。公的統計で「ベンチャーのマーケティング職の選考評価基準」として整理された調査は限られ、会社ごとの選考基準は非公開の部分も多いため、個別の判断材料はカジュアル面談で確認するのが確実です。「面接で聞かれやすい質問」の列は、各観点を確かめるための典型的な問いの例として編集部が整理しました。
面接でよく聞かれる質問の例
ベンチャーのマーケティング職の面接で、新卒に聞かれやすい質問には次のようなものがあります。企業や職種による差はあるものの、仮説検証の姿勢と数値への関心を確かめる問いが中心です。
- 普段、どんなSNS・サービスをよく使っていますか。なぜそのサービスを選んでいますか
- 自分が運営している(または運営していた)ブログ・SNSで、特に見ている数字はありますか
- 直近で「このマーケティング施策は面白い」と思った事例を教えてください
- 弊社のサービスを広めるとしたら、まず何を試しますか
- マーケティングと営業の違いは、どう整理していますか
面接の質問全般への備え方は、ベンチャー面接で聞かれる質問と答え方、評価軸から逆算する準備の順番で整理しています。
募集要項で確認する4項目と、よくある失敗
募集要項で確認する4項目
応募前に、採用ページの募集要項を次の4つの観点で読むと、入社後のギャップが減ります。
| 確認項目 | 具体的に見るもの |
|---|---|
| 配属 | マーケティング職として明確に募集枠があるか、入社後に配属が決まる方式か |
| KPI・評価軸 | 新卒が追う数字(CV数、記事本数、SNSフォロワー数など)の記載があるか |
| 使用ツール | GA4・広告管理画面・MA・CRMなど具体的なツール名の記載があるか |
| 教育体制 | OJT・研修・メンターの有無、独学で任される範囲の明示があるか |
項目ごとの記述が具体的な会社ほど、新卒受け入れの運用が整っている可能性があります。記述が抽象的な場合はカジュアル面談で個別に確認します。
よくある失敗と対策
次の4つは、マーケティング職の選考でつまずきやすいポイントです。
- ツール名を並べるだけで終わる:「GA4、Looker Studio、Google広告を使ったことがあります」とツール名を列挙しても、採用側には何ができるかが伝わりません。使った目的・見ていた指標・そこから学んだことを添えて書きます
- 「SNSが好き」で志望動機が終わる:好きな理由を聞かれたときに、数字や分析の話に接続できないと、関心の深さが伝わりません。好きな理由と、分析・仮説検証への関心を分けて説明します
- 成果の数字だけを前面に出す:「PVを3倍にしました」といった数字だけだと、再現性が見えません。何を仮説として立て、何を変え、どんな結果になったかの過程を1~2文で添えると、思考力が伝わります
- 「分析が得意」と「マーケティングが得意」を混同する:データ分析ができることと、マーケティング施策を考えられることは別のスキルです。分析結果から施策を言語化できる状態まで持っていけているかを、ESと面接で問われます
応募前のチェックリスト(応募直前の確認用)
- 広告運用・SEO・SNS運用・CRM・イベント・分析の6分類を、自分の言葉で説明できる
- 自分が運営したブログ・SNS・学生団体の集客で、1つ以上の数字を記録して振り返っている
- 志望動機の中に、具体的な数字と、その数字を見て考えた経験が含まれている
- 「ツール名の列挙だけ」で終わっていないかを、第三者に確認してもらった
- 応募する会社のサービスを実際に使い、感想と改善案を1つ考えた
よくある質問
マーケティング職は新卒で就けますか
就けます。ベンチャーでは職種別採用でマーケティング職の枠を設ける会社があり、新卒から直接配属しているケースが見られます。ただし、全てのベンチャーが新卒マーケティング職の枠を持っているわけではなく、応募前に採用ページで募集職種を確認する必要があります。
マーケティングの実務経験がない新卒でも応募できますか
応募できます。ベンチャーのマーケティング職の採用では、実務経験の有無より、データリテラシーと仮説検証の姿勢が評価の中心にあります。学生時代の経験(授業・サークル・バイトなど)から、「数字を見て判断した事実」を1つ取り出せれば、志望理由として成立します。
文系から応募できますか
公開されている採用ページを見るかぎり、応募資格を理系に限定している会社は少ない傾向で、文系から応募できる会社は複数見られます。選考時には志望動機と考え方で評価される傾向があり、情報系・統計系の学習経験があれば、志望動機で補足として触れると説得力が増します。会社ごとの資格要件は募集要項で確認します。
長期インターン経験がないと不利ですか
経験があるほうが志望理由を具体化しやすい面はありますが、「未経験歓迎」と明記する募集も複数見られます。選考可否は会社ごとに異なるため、応募前に募集要項で資格要件を確認します。インターン未経験の場合は、個人ブログ・SNS運営、学生団体の集客、公開されている学習コースなどを組み合わせて実践の経験を作ることが準備になります。
準備にどれくらいの期間が必要ですか
未経験から始める場合、基礎学習2~4週間+実践1~2か月+選考用整理2~3週間で、合計3か月程度が目安です。学業と並行する前提の目安で、集中して取り組めば短縮できます。応募までの時間が限られている場合は、基礎学習と選考用整理を優先し、実践は小さく始めるのが現実的です。
資格は取っておいた方がいいですか
必須ではありませんが、志望動機を補強する材料になります。Google 広告認定資格、Google アナリティクス個人認定資格は、学習の過程で取ると負担が小さくなります。資格より、取得の過程で何を学び、どう活かしたかを言語化できることのほうが評価されます。
ベンチャーのマーケ職は激務ですか
企業や事業ステージによる差があるため、一括りにはできません。少人数の組織では一人が複数手法を担当する分、繁忙期は忙しくなる傾向があります。応募前にカジュアル面談で、月の労働時間、繁忙期の過ごし方、残業時間の実績を聞くと、入社後のギャップが減ります。
マーケティング職の新卒年収はどのくらいですか
公的統計で「ベンチャーのマーケティング職の新卒年収」として整理されたデータは限られます。会社ごとの初任給は採用ページに記載されているため、応募検討時に個別に確認するのが確実です。固定残業代(一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含める仕組み)が含まれる設計の場合、想定時間を超えた分は別途支払われる仕組みが前提になります。
入社後、マーケティング職から他の職種に異動できますか
会社によります。少人数の組織では、営業・カスタマーサクセス・事業企画など、隣接職種への異動がしやすい会社もあります。異動の実例が社内でどのくらいあるかを、カジュアル面談で確かめると判断材料が増えます。配属が決まる仕組みの全体像はベンチャーの職種一覧、新卒で就ける7つの仕事と配属が決まる仕組みで整理しています。
広告運用・SEO・SNS運用のどれから学ぶといいですか
関心がある領域から始めるのが続けやすい方法です。目安として、個人ブログを立ち上げるならSEO・ライティング、SNS発信に興味があるならSNS運用、数値分析に興味があるなら広告運用から始めると、学習から実践に移りやすくなります。6分類すべてを浅く触るよりも、2つに絞って深掘りするほうが、面接で話せる内容が増えます。
「ベンチャーのマーケティング職は成長できる」は本当ですか
成長の中身は、会社と職種によって変わります。業務範囲が広い分、幅広い経験を積みやすい反面、教える側の人数が限られる環境では、独学の負担が大きくなります。成長の中身を分解する考え方は、ベンチャーで成長できるのは本当か、新卒が伸びる会社と伸びない会社の差で整理しています。
職種別採用と総合職採用はどう見分けますか
採用ページの募集職種名と応募要項の記載で見分けられます。職種別採用は「マーケティング職」「エンジニア職」のように応募時点で職種が指定され、入社後も原則その職種に配属される設計です。総合職採用は「ビジネス職」「総合職」のように応募時点で職種が特定されず、入社後の配属で職種が決まる設計です。両方の採用を並行して行っている会社もあるため、応募区分が「職種別」か「総合職」かを募集要項で確認し、不明なときはカジュアル面談で「マーケティング職として入社した場合、配属は確定していますか」と直接聞くのが確実です。入社後の配属の仕組み全般はベンチャーの職種一覧、新卒で就ける7つの仕事と配属が決まる仕組みで整理しています。
長期インターンの経験は選考でどう伝えればよいですか
担当した施策・使ったツール・見ていた数字・振り返った内容・改善した結果の順で言語化します。「GA4とLooker Studioを使って、BtoB SaaSのSEO記事の分析を担当」のように対象を具体化したうえで、「オーガニック流入のPVを見て、タイトルのCTRが低い記事を特定し、タイトルを3パターン作って差し替えた結果、特定の記事のCTRが改善した」のように、自分で判断して動いた過程を加えると評価されやすくなります。ツール名の列挙だけでは、採用側に判断の質が伝わりません。なお、インターン先が三省合意の「インターンシップ」(タイプ3・4、就業体験が必須)か、「オープン・カンパニー」(タイプ1)かを把握しておくと、面接で経験の中身を正確に説明できます(詳細は上記「新卒がベンチャーのマーケティング職で求められる経験・スキル」)。
新卒の配属が入社時点で未確定の会社は、避けた方がよいですか
必ずしも避ける必要はありません。総合職採用で配属が未確定の会社でも、マーケティング職への配属希望を事前に伝え、その希望がどの程度反映されるかを確認できれば、選択肢に残して問題ない場合があります。カジュアル面談や面接で「新卒の配属希望はどの程度反映されますか」「過去の新卒のうち、マーケティング職に配属された割合はどのくらいですか」を聞き、具体的な数字や事例が返ってくる会社は、配属希望が通りやすい運用の可能性があります。一方、「人物を見て決めます」「適性を見ます」といった抽象的な回答に留まる場合は、入社後に希望と違う配属になるリスクが相対的に高いと見立てます。なお、若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)に基づき、応募者は企業に対して新卒採用者数・離職者数、研修制度の有無、月平均所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数などの職場情報を求めることができる仕組みがあります。企業は3類型(①募集・採用の状況、②職業能力の開発・向上の取組、③職場への定着促進の取組)それぞれから1つ以上を提供する義務があります(厚生労働省 青少年雇用情報提供(新しいタブで開きます))。配属運用のデータが社内でどの程度整備されているかの判断材料になります。
まとめ
ベンチャーのマーケティング職は、少人数の組織で広告運用・SEO・SNS運用・CRM・イベント・分析の6分類を横断的に担う仕事です。新卒でも職種別採用の枠があり、未経験からでも応募できます。評価の中心は、実務経験の有無よりも、データを見て考えられるか、仮説検証の姿勢があるかにあります。
- ベンチャーのマーケティング職は6分類の業務を一人が複数担当することが多い。大手のような手法別の分業は限られる
- 新卒で求められるのは特定ツールの経験より、データリテラシーと仮説検証の姿勢と言語化の力
- 準備は基礎学習→実践→選考用整理の3段階、合計3か月程度が目安(未経験から始める場合)
- 文系・理系・経験の有無にかかわらず応募可能。学習の過程と考え方を言葉で説明できるかが勝負になる
- ES・面接では数字を見て考えられるか、仮説検証の姿勢、言語化の力の3観点で評価される
次のアクション:
- 広告運用・SEO・SNS運用・CRM・イベント・分析の6分類のうち、関心がある2つを決める
- 公開されている公式コースで基礎学習を2~4週間進める
- 自分の環境(個人ブログ・SNS・学生団体など)で、小さな実践を1つ始める
- 応募を考えている会社の採用ページで、マーケティング職の募集要項と業務内容を確かめる
関連記事:
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ベンチャールーキーズ編集部
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