面談を申し込む

TOP > 記事一覧 > ベンチャーを知る > 新卒でベンチャーキャピタルに入れるか、起業志望の学生が知る仕事と判断軸

ベンチャーを知る

新卒でベンチャーキャピタルに入れるか、起業志望の学生が知る仕事と判断軸

公開 この記事は約20分で読めます

ベンチャーキャピタル(VC)は未上場のスタートアップに投資する会社で、新卒採用を公表している日本のVCは数社にとどまります。採用枠の実態、仕事内容、起業志望の学生が1社目として考える判断軸を、公的データで整理します。

先に結論

  • VCは未上場のスタートアップにお金と経営支援を出す会社です。国内のVC等による投資は2024年度に3,544億円(1,984件)で、調査開始以来の最高を更新しました(出典:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「2024年度ベンチャーキャピタル等投資動向確報」)
  • 日本で新卒採用を公表しているVCはジャフコ・インキュベイトファンド・SBIインベストメント・ニッセイ・キャピタル・DIMENSIONなど数社です。多くのVCは中途・リファラル・長期インターン経由の採用が中心で、新卒は数名~十数名の狭い枠にとどまります
  • 新卒の仕事はソーシング(投資先の発掘)→デューデリジェンス→投資先支援の順で経験を積む流れが基本です。アナリスト・アソシエイトという職位名が多く、起業家と直接話す場に数年以内に入れる会社もあります
  • 起業志望の学生にとってVCは「経営の全体像」「資金調達の裏側」「複数業界の立ち上げ期」を同時に見られる環境ですが、プロダクトを自分でつくる経験は得にくい設計です。向き不向きがはっきり分かれます
  • 新卒VCに入れない場合でも、メガベンチャーの事業開発・スタートアップの初期メンバー・外資系投資銀行経由など、起業志望のキャリアには複数のルートがあります。1本に絞らず組み合わせで考えます

この記事で分かること

  • ベンチャーキャピタル(VC)とは何か、スタートアップ・ベンチャー企業・PEとの違い
  • 国内のVC市場規模と、新卒採用枠の実態(会社名・採用形態)
  • 新卒VCの仕事内容と1日の流れ、アナリスト・アソシエイトの違い
  • 起業志望の学生がVCを1社目に選ぶときの判断軸、得やすい経験と得にくい経験
  • 大学1~4年で何をすればよいか、インターンから本選考までの準備
  • 新卒VCに入らずに起業志望のキャリアを進める3つの代替ルート
  • 文系・理系・既に起業アイデアがある人・迷っている人のケース別の進め方

VCを含めた起業志望のキャリアルートを、採用枠の実態と自分の状況を照らし合わせて整理できます

ベンチャーキャピタル(VC)とは何か、新卒就活での位置づけ

ベンチャーキャピタル(VC)は、投資家からお金を集めてファンドを組成し、未上場のスタートアップに出資する会社です。出資したスタートアップが上場(IPO)やM&Aで売却されたときに得られる値上がり益を、投資家とVCで分け合う仕組みで事業が成り立っています。

VCの仕組み、お金の流れと期待される役割

VCの業務は、おおむね次の3つに分けられます。

  • 資金集め(ファンドレイズ):年金・金融機関・事業会社・個人投資家などから出資を募り、ファンドを組成する
  • 投資(ソーシングと実行):投資先候補の起業家に会い、事業・財務・法務を調べ(デューデリジェンス)、出資を決める
  • 投資先支援(バリューアップ):出資後にスタートアップの経営を支援し、採用・営業・資金調達・組織づくりに関与する

VCは単に資金を出すだけでなく、役員派遣や取引先の紹介、資本政策の立案、人材紹介まで踏み込んで支援する会社も多くあります。この踏み込み型の支援を「ハンズオン」と呼びます。

国内のVC投資規模、2024年度は国内外合計で3,544億円

一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター(VEC)の投資動向調査(2025年6月11日公表)によると、2024年度(2024年4月~2025年3月)のVC等による投資は、国内2,436億円・1,635件、海外1,108億円・349件で、国内外合計3,544億円でした。前年度比20.7%増で、調査開始以降の既往ピークを更新しています(VEC 年度速報ページ(新しいタブで開きます))。

出典:2024年度ベンチャーキャピタル等投資動向確報 PDF(新しいタブで開きます)(VEC、2025年6月11日)

年度国内投資額国内件数海外投資額合計
2023年度1,977億円1,615件959億円2,936億円
2024年度2,436億円1,635件1,108億円3,544億円
  • VC等への調査回答に基づく集計で、事業会社や海外投資家の投資は含みません
  • 投資規模が広がったことは、スタートアップが使うお金が増えたことを意味します。VCの業務量もあわせて増えています

VCと「ベンチャー企業」「スタートアップ」「PE」の違い

就活では用語が混ざって使われがちです。立場が違う点を整理します。

用語立場主な役割
ベンチャー企業事業を自ら営む会社プロダクト・サービスを顧客に提供し、売上を上げる
スタートアップ急成長を目指す未上場の新興企業新しい市場を創出するか、既存市場に変化を起こす
ベンチャーキャピタル(VC)スタートアップに出資する投資会社資金供給と経営支援、イグジット(上場・売却)で利益を得る
プライベート・エクイティ(PE)主に成熟企業へ投資するファンド既存事業の立て直し・買収による再構築
  • VCは投資する側、ベンチャー企業・スタートアップは投資される側という関係です
  • PEとVCは、どちらも未上場企業に投資しますが、投資先の成熟度と関与の仕方が違います
  • 「ベンチャーに就職する」と「VCに就職する」は、別の仕事を選ぶ話です

内閣官房「スタートアップ育成5か年計画」(2022年11月28日決定)では、スタートアップへの投資額を2027年度に10兆円規模にする目標が示されています(計画本文PDF p.2(新しいタブで開きます))。VCの業務量が中長期で拡大する前提での就活、という位置づけになります。

ベンチャー就職そのものと起業の関係は、ベンチャー就職は起業の近道か、起業したい学生が1社目で身につけたいことでも整理しています。あわせて読むと、VCと事業会社の違いが立体的に見えます。

ベンチャーキャピタルに新卒で入れるか、採用枠の実態

結論から言うと、新卒でVCに入れる会社は限られます。公開されている新卒採用情報を見ると、継続して新卒を採る会社は数社で、1社あたりの採用枠も数名~十数名の規模です。多くのVCは中途採用が中心で、長期インターンから正社員化する経路や、社員の推薦(リファラル)で人員を補う会社もあります。

新卒採用を公表しているVCの例

公開されている採用情報・各社ニュースから、新卒採用を継続している日本のVCの例を挙げます(2026年10月時点の各社ウェブサイトを確認)。

会社名独立系・金融系新卒採用の特徴
株式会社ジャフコ グループ独立系(上場)1982年から未上場投資。社員の多くが新卒入社、毎年継続採用
インキュベイトファンド独立系2021年に新卒1期生4名を採用、以降継続。「ベンチャーキャピタリストとしての独立」を前提とする新卒採用
SBIホールディングス/SBIインベストメント金融系総合職の配属先の1つ。グループ全体の新卒採用から入る
ニッセイ・キャピタル金融系(日本生命グループ)若干名の継続採用
DIMENSION独立系2027年卒の採用情報を公開(コンサルタントセールス総合職)
東京中小企業投資育成(SBIC)政府系若干名、毎年新卒採用

出典(例): - ジャフコ 新卒採用サイト(新しいタブで開きます) - インキュベイトファンド 採用情報(新しいタブで開きます) - SBIホールディングス 採用情報(新しいタブで開きます)

新卒採用枠の実態、1社あたり数名~十数名

同じ投資業界でも、投資銀行や総合商社と比べるとVCの新卒採用枠は小さいのが特徴です。

  • 多くのVCは常勤の投資担当者が1社あたり十数名~数十名規模です。既存の投資担当者が投資先の支援に手を取られるため、新人育成に割ける人員が限られます
  • 新卒採用を公表していないVCでも、長期インターン生の中から正社員化するケースはあります
  • リファラル(社員からの紹介)だけで採用枠が埋まる会社も少なくありません。採用ページに新卒募集が出ていない会社でも、応募ルートがないとは限りません

新卒で入るための主なルート(4パターン)

公開されている情報と各社の採用動線を整理すると、新卒VCに入るルートは4つに分かれます。

  • 本選考ルート:新卒採用を公表している会社の採用ページから応募する。応募時期は大学3年の夏~4年の春が中心
  • 長期インターン→新卒ルート:学部3年前後からVCで長期インターンに参加し、そのまま新卒採用に進む
  • コンサル・投資銀行経由ルート:外資系戦略コンサルや投資銀行で2~3年経験を積み、第二新卒~中途でVCに移る
  • スタートアップ経験ルート:スタートアップの事業立ち上げ・事業開発を経験し、中途でVCに移る
ルート動き出す時期主な通過先
本選考大学3年の夏~4年の春新卒採用公表VC(数社)
長期インターン大学2~3年長期インターンを受け入れているVC
コンサル・投資銀行経由大学3年~入社後2~3年でVCへ
スタートアップ経験大学3年~入社後3~5年でVCへ
  • 本選考ルートが最も狭く、他の3ルートはいったん別業界や別会社を経由するぶん時間がかかります
  • どのルートでも、事業や投資への関心と、スタートアップに関わってきた経験の両方を見られる傾向があります

VC新卒の仕事内容、アナリスト・アソシエイトから始まる

VCに新卒で入ると、多くの場合アナリストまたはアソシエイトという職位から始まります。会社によって職位名の呼び方が違うため、採用ページの仕事内容欄で確認します。

1日の仕事の流れ(例)

ソーシング・デューデリジェンス・投資先支援の3業務が、週単位で混ざって回ります。公開されている採用ページや各社ブログで示されている業務例を整理します。

時間帯主な業務
午前投資先候補のリサーチ、起業家との面談準備、業界動向のまとめ
午後起業家との面談、投資委員会向けの資料作成、既存投資先の経営会議への同席
夕方以降社内レビュー、ピッチイベントや交流会への参加

アナリストとアソシエイトの違い

職位の切り分けは会社ごとに違いますが、おおむね次の分担です。

職位主な役割新卒・若手の立ち位置
アナリスト市場・業界のリサーチ、資料作成、デューデリジェンスの一部入り口の職位。新卒や若手中途が入ることが多い
アソシエイト投資案件の発掘、起業家との面談、投資判断の支援、投資先の経営支援アナリスト経験後に昇格するケースと、職位名としていきなり就くケースがある
シニアアソシエイト/VP投資判断の責任、投資委員会での提案、投資先への役員派遣5~10年以上の経験が目安
プリンシパル/パートナー新規投資の意思決定、ファンド運営10年以上の経験が目安
  • 新卒で入ると、最初の1~2年はリサーチと資料作成が中心です。起業家と直接話す機会は会社とフェーズによって差があります
  • 一方で、起業家との面談に新卒から同席させる方針のVCもあり、インキュベイトファンドのように創業期特化のファンドは学生との距離が近い傾向があります

新卒VCで身につく力

公開情報と各社のメッセージを総合すると、次の力が中心です。

  • 事業と財務の目利き:事業計画・市場規模・競合・財務諸表を読み解く力
  • 資金調達の全体像:シードからシリーズA・B・C、IPOまでの流れを俯瞰する知識
  • 経営者との対話力:事業の仮説・勝ち筋・組織課題を1時間で引き出す対話力
  • 業界横断の知識:SaaS、ヘルスケア、ディープテック、金融など、担当分野をまたぐ知識

スタートアップの資金調達段階と、企業の見極めの観点については、ベンチャー企業の見極め方、新卒が入社前に何をどこで確かめればいいかで整理しています。

起業志望の学生がVCを1社目に選ぶときの判断軸

VCを「起業の近道」として捉える学生は少なくありません。実際、ジャフコが開示するキャリアパスの事例や、インキュベイトファンドが掲げる「ベンチャーキャピタリストとしての独立」など、起業・独立を前提に新卒を採る会社も存在します。ただし、VCで得られる経験には得意分野と不得意分野があります。

起業志望者にVCが候補になる理由

  • 経営の全体像を見られる:複数のスタートアップの経営会議に関わるため、どのフェーズで何が起きるかを早期にまとめて見られます
  • 資金調達の裏側を知れる:ファンドレイズ・投資契約・バリュエーションの実務を、投資する側から見られます
  • 業界をまたぐ知識が得られる:担当業界が複数になるため、特定業界の深さより、業界比較の視点が育ちます
  • 起業家の意思決定を観察できる:経営判断の良い例と悪い例を、継続的に観察できます

得にくい経験

  • プロダクトを自分でつくる経験:VCは出資側のため、プロダクト開発の意思決定は投資先の経営陣が行います
  • チームマネジメントの経験:VCの投資担当者は少人数で動くことが多く、人数の多い組織をマネジメントする経験は得にくいです
  • 顧客に直接売る経験:営業の最前線で顧客と向き合う経験は、投資先企業に移って初めて得られます
経験の種類VC新卒スタートアップ新卒メガベンチャー新卒
経営の全体像◎○(1社深く)△
プロダクト開発△◎○
顧客への営業△○◎
資金調達の実務◎○△
チームマネジメント△○◎

就活生

VCに新卒で入れば、起業の近道になるのでは。採用枠が狭いなら、まずはメガベンチャーに入って経験を積んだほうがよいのか迷います。

ベンチャールーキーズ編集部

VC・メガベンチャー・スタートアップのどれが起業に近いかは、「起業で何をつくりたいか」が決まっているかどうかで変わります。本記事の比較表のとおり、プロダクト開発や顧客への営業はVCでは得にくい経験です。起業アイデアがすでにあるなら、同じ業界のスタートアップで事業の立ち上げに関わるほうが近道になることが多く、業界や事業領域がまだ絞れていないなら、VCで複数業界を横断的に観察する時期を取るのも一つの選択です。「VCに入れないと起業できない」ではなく、「VCで得やすい経験と得にくい経験」を自分の起業像と照らして考えると、進路の見え方が変わります。

VC・スタートアップ・メガベンチャーのどれが自分に合うかを、起業で何をつくりたいかから一緒に逆算できます

新卒でVCに入るための準備、インターンから選考まで

VCの選考は、新卒採用を公表している会社でも、通常の就活とは少し流れが違います。早い段階で業界に触れることと、起業家・投資家との接点をつくっておくことが、他の学生との差になります。

大学1~2年:読む・会う・書く

まずは業界を知る時期です。

  • 国内外のVCの投資ブログ・ポッドキャスト・書籍で、投資判断の考え方に触れます
  • 大学の起業サークル・ピッチイベント・学生VC(学生自身が運営する投資ファンド)に関わり、起業家と話す機会をつくります
  • 自分で短い投資メモ(1社1~2ページ)を書き、どの会社になぜ投資したいかを言語化する習慣をつけます

大学3年:長期インターンに入る、サマー選考

  • VC・スタートアップ・コンサルの長期インターンに応募します。VCのインターンが取れなくても、スタートアップの事業開発や、戦略コンサルのインターンで得られる経験は、新卒VC選考で評価されやすい傾向があります
  • 新卒採用を公表している数社のサマーインターン・本選考に応募します。応募要件に「ビジネスコンテスト経験」「スタートアップでの実務経験」を挙げる会社もあるため、応募前に実績を揃える準備期間として大学3年前半を使います

大学4年:本選考と内定後の過ごし方

  • 新卒採用を継続している数社の本選考に加え、投資銀行・外資系戦略コンサル・メガベンチャーの事業開発職なども並行して受けます。VC単願はリスクが大きいため、関連業界と組み合わせるのが現実的です
  • 内定後は、投資先スタートアップで短期のインターンを経験する学生もいます

選考で見られるもの

公開されている採用情報と、各社のインタビュー記事から、見られている観点を整理します。

観点具体的に見られること
事業への関心自分で業界レポートを書けるか、投資判断の仮説を言えるか
起業家との接点学生時代に起業家と会ってきた経験、起業経験
定量と定性の両立財務諸表を読める力と、人の話を引き出す力の両方
長期視点10年後に何をしていたいかを言語化できるか

ベンチャーの選考で聞かれる質問の全体像は、ベンチャー面接で聞かれる質問と答え方、評価軸から逆算する準備の順番(ID 218)で整理しています。

新卒VCに入らずに起業志望のキャリアを進める3つの代替ルート

新卒VCの採用枠は限られます。入れなかった場合でも、起業志望のキャリアには複数の進み方があります。

ルート1:メガベンチャー・事業会社の事業開発に入る

ルート2:スタートアップに新卒で入る

ルート3:外資系投資銀行・戦略コンサル→VCへ移る

  • 投資銀行で財務・資本政策の経験、戦略コンサルで業界分析と経営支援の経験を積み、3~5年後にVCへ移るルートです
  • 入社ハードルは高めですが、採用人数が多く、第二新卒~中途でVCに応募できる土台になります

3ルートの比較

ルート入社の難易度得やすい経験起業までの目安期間
メガベンチャー事業開発中新規事業の企画・立ち上げ5~8年
スタートアップ新卒中~易プロダクト開発・顧客対応3~5年
投資銀行・コンサル経由高財務・業界分析・経営支援5~8年(うち2~3年を他社で経験)
  • VCに入ることが起業のゴールではなく、起業で何をしたいかから逆算して選ぶのが基本です

ケース別、どのルートが向いているか

学部・既存の経験・起業アイデアの有無で、進む順番が変わります。4つのケースで整理します。

ケース1:文系・経営に関心が強い

  • 事業と財務の両方に関心が強いなら、VCと戦略コンサル・投資銀行を並行して受けるのが現実的です
  • ガクチカの題材が「新規事業を起こした」「起業家と組んで事業を進めた」の形になっていると評価されやすい傾向です。学生起業の経験が選考でどう見られるかは、学生起業は就活でどう評価されるか、ESと面接で見られる3つの軸(ID 401)で解説しています

ケース2:理系・技術分野を知りたい

  • ディープテック・バイオ・AIなど、技術領域を深掘りするVC(コーポレートVC含む)が候補になります
  • 大学院進学と並行してVCの長期インターンに入り、修士修了後に新卒・中途いずれかで入る学生もいます

ケース3:既に起業アイデアがある

  • 同じ業界のスタートアップに入って事業立ち上げを経験する、または在学中の起業を選ぶほうが近道になることが多いです
  • VCに入るのは、起業の後に「次の起業で資金調達する側に回りたい」などの明確な目的が出てからでも遅くはありません

ケース4:迷っている・絞れていない

  • VC・スタートアップ・メガベンチャーのどれが合うか、まずは学部3年までに各業界の長期インターンに1本ずつ入るのが実務的です
  • 自分の向き不向きの整理は、ベンチャー適性診断(14問・約3分)で、起業志向・リスク許容度・成長スピードへの耐性などを可視化できます

ベンチャーの職種全体の一覧は、ベンチャーの職種一覧、新卒で就ける7つの仕事と配属が決まる仕組み(ID 273)も参考になります。

よくある失敗と対策

VCを志望するときに起きやすい失敗を3つに整理します。

失敗1:「VC=華やかな投資」のイメージだけで志望する

  • VCの業務の多くは、起業家との地道な対話、業界リサーチ、投資判断の資料作成です。日々の業務の体感と、イメージが大きく食い違うと、入社後に合わないと感じやすくなります
  • 対策:採用ページの業務内容欄・社員インタビューを読み、1日の業務の流れを具体化してから志望を決めます

失敗2:VC1本に絞ってしまう

  • 新卒採用枠が限られるため、VC単願だと持ち駒がなくなる可能性が高くなります
  • 対策:VCと関連業界(投資銀行・戦略コンサル・メガベンチャー事業開発・スタートアップ事業開発)を併願します

失敗3:VCに入れないと起業できないと思い込む

  • 起業家の経歴を見ると、VC出身者は一部で、事業会社・エンジニア・研究者・起業経験者など出身は多様です
  • 対策:VCは起業への経路の1つにすぎないと捉え、「起業で何をつくりたいか」を先に言語化します

チェックリスト

  • VCの採用ページで、業務内容の記述を読んだ
  • 公開されている新卒採用VCを3社以上調べた
  • VC以外の起業につながるキャリアルートを3つ以上言語化した
  • 自分の起業で何をつくりたいかの仮説を1~2行で書いた
  • VCと関連業界(投資銀行・コンサル・メガベンチャー)の併願リストを作った

ベンチャーで評価されるガクチカの書き方は、ベンチャーのガクチカの書き方と例、大手向けと変えるべき3つの評価軸(ID 208)も参考になります。

よくある質問

新卒でVCに入るのは、具体的にどのくらい狭き門ですか

2026年10月時点で編集部が各社の採用ページを確認した範囲では、新卒採用を明示しているVCは数社に限られます。採用人数を公表していない会社も多いため合計人数は断定できませんが、公開情報を見る限り大規模採用ではなく、若干名~少人数の採用が中心です。投資銀行や総合商社の新卒採用に比べると、採用枠は小さい規模感といえます。

大学の学部は関係ありますか

公開されている採用情報を見る限り、学部・文理の縛りを明示している会社はほとんどありません。経済・経営・法学部出身者だけでなく、工学・理学・医学・農学系の出身者もVCで働いています。担当分野と自分の学問背景が重なると、投資判断の深さに差が出やすい傾向はあります。

VC新卒とスタートアップ新卒、どちらが起業の近道ですか

起業で何をつくりたいかが決まっているかで変わります。業界や事業領域が絞れているなら、スタートアップに入って事業の立ち上げを経験するほうが、プロダクト開発と顧客対応の実感を早く得られます。業界が絞れていないなら、VCで複数業界を横断して見る時期を取るのも選択肢です。

投資業務での英語力はどのくらい必要ですか

国内投資中心のVCでは、面接時に高い英語力を必須としない会社もあります。一方で、海外投資家からの資金調達、海外スタートアップへの共同投資、起業家の海外展開支援を手がけるVCでは、英語での読み書き・会話が業務の中で必要になります。採用ページの業務内容欄で、担当範囲を確認します。

新卒入社から起業・独立までの期間はどのくらいが目安ですか

公開されているキャリアパスの事例を見る限り、5~10年が1つの目安です。インキュベイトファンドのように「ベンチャーキャピタリストとしての独立」を前提に新卒を採る会社では、独立の時期が明示されているケースもあります。一方で、生涯VCに勤める道、ベンチャー企業の経営陣に移る道など、独立以外のキャリアも並行してあります。

VCの選考は投資銀行やコンサルと一緒に受けるべきですか

採用枠が限られるため、関連業界と併願するのが現実的です。投資銀行・戦略コンサル・メガベンチャーの事業開発職・スタートアップの初期メンバーなどが並行で受けやすい業界です。コンサルとベンチャーの違いは、コンサルとベンチャー新卒どっち、成長の中身を5つの軸で比べる判断軸(ID 395)でも整理しています。

新卒でVCに入ると年収はどのくらいですか

新卒年収は会社ごとの差が大きく、公開情報だけでは一律に言えません。中途求人ではアナリスト・アソシエイト層の年収レンジが示されることがありますが、職位や経験年数の前提が異なるため、新卒入社直後の条件とは分けて見る必要があります。具体額は、採用ページ・募集要項・オファー面談で確認します。

内定を取る学生の大学はどこに偏っていますか

採用ページで出身大学を応募要件として明示しているVCは、2026年10月時点の確認範囲では見つけられませんでした。一部の社員プロフィールや採用情報には難関大学出身者が見られますが、大学名で合否が決まる記述には当たっていません。重要なのは、事業理解・投資仮説・スタートアップとの接点を示せるかどうかです。学歴の見え方の実態は、ベンチャーは学歴を見ないのか、学歴フィルターの実態と自信がない人の対策(ID 263)で整理しています。

大学3年の秋以降に動き出しても間に合いますか

本選考ルートは、応募時期が大学3年の冬~4年の春までの会社が中心です。長期インターン枠は通年募集の会社も多く、秋以降の動き出しでも応募可能です。ただし、長期インターンでの実績を本選考で見られる傾向があるため、動き出しの時期が遅いほど、本選考までに積める実績の量は少なくなります。

新卒採用をしていないVCに応募することはできますか

採用ページに新卒募集が出ていない会社でも、応募経路は3つあります。長期インターンへの参加、社員からの推薦(リファラル)、採用窓口への自己応募です。問い合わせの実務は、新卒採用をしていないベンチャー企業に応募できるか、問い合わせ方と注意点(ID 427)でも扱っています。

内定後に迷いが出たとき、相談先はありますか

大学のキャリアセンター、新卒応援ハローワーク、OB・OGの先輩が主な相談先です。新卒応援ハローワーク(新しいタブで開きます)は、大学等の卒業予定者と卒業後おおむね3年以内の人が利用料金なしで使えます(2026年10月時点の厚生労働省の案内による)。

まとめ

ベンチャーキャピタル(VC)に新卒で入れる会社は数社に限られ、各社の採用枠は公開情報を見る限り若干名~少人数が中心です。起業志望の学生にとっては経営の全体像を学べる環境ですが、プロダクト開発や顧客対応は得にくいため、1社目として選ぶときは「起業で何をつくりたいか」から逆算して判断します。

  • 国内のVC投資は2024年度で3,544億円。市場は拡大基調(出典:VEC)
  • 新卒採用を公表しているVCは、ジャフコ・インキュベイトファンド・SBI系・DIMENSIONなど数社
  • 仕事はソーシング→デューデリジェンス→投資先支援の順。アナリスト・アソシエイトから始まる
  • 得やすい経験は経営の全体像と資金調達の裏側、得にくいのはプロダクト開発と顧客への営業
  • 代替ルートはメガベンチャー事業開発・スタートアップ新卒・投資銀行/コンサル経由の3つ
  • VC単願はリスクが大きいため、関連業界と併願する
  • 自分の向き不向きはベンチャー適性診断で可視化できる

次のアクションは、公開されている新卒採用VC3社の採用ページを読み比べ、業務内容と選考ルートの違いを1ページにまとめることです。起業志望のキャリアを広く見るなら、ベンチャー就職は起業の近道か、起業したい学生が1社目で身につけたいこと、大手とベンチャーの両方に内定したときの決め方、ベンチャーで成長できるのは本当か、新卒が伸びる会社と伸びない会社の差もあわせて参考にしてください。

運営:株式会社ヘルスベイシス/ベンチャールーキーズ編集部

スタートアップファーストキャリア企業の見極め起業志向

ベンチャールーキーズ編集部
公的機関や調査会社が公表しているデータをもとに記事を作成しています。ES添削・面接対策などの相談には、新卒採用の選考に携わってきたメンバーが対応します。

関連記事

無料面談を申し込む