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企業の選び方

非上場ベンチャーの業績や将来性の調べ方、新卒が入社前に見る5つの情報源

公開 この記事は約18分で読めます

非上場ベンチャーの業績や将来性とは、上場企業と違い有価証券報告書で開示されない情報のことです。公的データや法律に基づく情報提供制度を組み合わせれば、新卒が入社前に確かめられます。5つの情報源と4つの判断軸、面談で聞く質問の作り方を整理しました。

先に結論

  • 非上場ベンチャーでも、業績や将来性の一部は公開情報で確かめられます。法人番号公表サイト・若者雇用促進法に基づく職場情報・しょくばらぼ・業界団体の資金調達データ・経産省のJ-Startupの5つが主な入口です
  • 業績は3つの手順で確かめます。法人の実在と設立時期を国税庁の法人番号公表サイトで照合し、決算公告(官報・自社HP)があれば数字を見て、無ければ資金調達ニュースや取引先の規模から類推します
  • 将来性は4つの軸で判断します。市場の方向性、顧客・取引先の広がり、資金調達と事業の進み方、人材採用の継続性です。1つの軸だけで決めず、複数を重ねて見ます
  • 足りない情報の一部は法律に基づいて聞けます。若者雇用促進法では、応募者から求めがあれば3類型(採用実績・教育研修・定着)それぞれ1項目以上の情報提供が企業の義務です。全項目を出す義務まではなく、聞ける範囲には制限があります(厚生労働省の制度ページ)
  • 面談・面接では「公開情報で分からなかった前提」を聞きます。「分からないから教えてほしい」ではなく「公開資料で◯◯まで調べたうえで、△△の方針を伺いたい」と組み立てます

この記事で分かること

  • 非上場ベンチャーの情報が、上場企業と比べてどこまで公開されているか
  • 業績を公開情報で調べる3つの手順と、使える公的サイト
  • 将来性を4つの軸で判断する方法と、それぞれの一次情報の見方
  • 若者雇用促進法に基づく職場情報の提供制度の使い方
  • 面談・面接で聞く質問の作り方と、ケース別の調べ方の違い

志望先のベンチャーを公開情報でどこまで確かめられるかは、キャリア相談で一緒に整理できます

非上場ベンチャーの情報はどこまで公開されているか

非上場ベンチャーは、上場企業に義務づけられている有価証券報告書・四半期開示の対象ではありません。そのため、売上・利益・キャッシュフローなどの詳細な決算情報は、原則として公開されません。一方で、法人の実在と住所、新卒採用で提示する職場情報、業界団体や調査会社の集計、政府の認定・採択実績などは、公開情報として入社前に確かめられます。

就活生が入社前に見られる情報は、おおむね次の5つです。

#情報源何が分かるか発行・運営
1国税庁 法人番号公表サイト(新しいタブで開きます)法人の実在、商号・所在地、法人番号指定年月日国税庁
2若者雇用促進法に基づく職場情報の提供(企業からの提示または応募者の求めに応じた提供)直近3事業年度の新卒採用・離職者数、研修、残業・有給の実績厚生労働省の制度ページ(新しいタブで開きます)
3しょくばらぼ(職場情報総合サイト)(新しいタブで開きます)掲載企業の職場情報(残業・有給・女性管理職比率など)厚生労働省
4ベンチャー白書2025/VEC投資動向調査(新しいタブで開きます)国内VC投資の規模・分野別の傾向一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター
5J-Startup(経産省の選定制度)(新しいタブで開きます)政府が有望と選定したスタートアップの一覧経済産業省ほか

出典:各ページを2026年10月に確認。しょくばらぼの掲載企業数はトップページ表示で152,380件(2026年10月1日時点)。

非上場でも「スタートアップ総力創出パッケージ」のように、国の政策で成長支援の対象になっています(内閣官房 スタートアップ総力創出パッケージ(新しいタブで開きます)、2026年5月20日)。志望先が国の政策の後押しを受ける位置にあるかどうかも、将来性を見る1つの材料になります。

関連記事:ベンチャー企業の見極め方、新卒が入社前に何をどこで確かめればいいか、ベンチャーと大手はどっちがいいか、新卒の1社目を決める判断の順番。

上場企業との情報量の違いを前提にする

上場企業は金融商品取引法に基づき、EDINET(金融庁の電子開示システム)(新しいタブで開きます)で有価証券報告書や半期報告書などを提出します(2024年の制度改正で四半期報告書は半期報告書に一本化されました)。加えて、取引所の適時開示・決算短信でも業績情報を確認できます。非上場ベンチャーはこれらの対象外です。株主・取引先・従業員の数も、法人によって開示方針が異なります。

「公開情報が少ない=怪しい」ではなく、「上場企業と同じ精度では見えないので、別の情報源を組み合わせる」と理解したうえで調べ方を決めます。

業績を公開情報で調べる3つの手順

非上場ベンチャーの業績は、法人の実在確認 → 決算公告の確認 → 間接情報の収集、の3つの手順で近づけます。1つの数字で結論を出さず、複数の情報を重ねて見ます。

手順1:法人番号公表サイトで法人情報を確かめる

国税庁の法人番号公表サイト(新しいタブで開きます)で商号を検索すると、法人番号・商号・本店所在地・法人番号指定年月日・商号変更履歴・所在地変更履歴が表示されます。利用料金はかからず、ログインも不要です。志望先の正式な商号・所在地をここで押さえると、以降の調査で別会社と取り違えずに済みます。

  • 法人番号は13桁。各種行政手続きで使われる番号です
  • 商号変更・所在地変更の履歴も、変更日付とともに表示されます
  • 「会社HPに記載の所在地と登記上の所在地がずれていないか」の確認にも使えます
  • 設立年月日は法人番号指定年月日とは別物です。会社HPの会社概要や、法務局で取得する登記事項証明書で別途確認します

手順2:決算公告の有無を確かめる

会社法では、株式会社は決算の内容を公告する義務があります(会社法440条)。公告の方法は定款で定められ、官報・日刊新聞紙・自社ホームページのいずれかが使われます。志望先が株式会社であれば、次の順で確かめられます。

  • 自社ホームページ(企業情報ページ・IR情報・プレスリリースに掲載)
  • インターネット官報(新しいタブで開きます)の決算公告検索(直近30日分は料金なし、過去分は有料)
  • 会社HPに公告場所の記載があるか(「公告の方法」や会社概要)

ただし、会社法440条で求められる決算の公告は、計算書類の要旨で足りる場合もあり、公告の実務運用には企業ごとに差があります。公告が確認できなくても即座に「違法」とは断定せず、まずは企業HP・会社概要ページで公告場所の記載を探します。

手順3:資金調達・取引先・政府認定で間接的に見る

決算が見られないときは、間接情報を重ねます。

ベンチャーの離職率はどう見るか、公的データの読み方と面接での質問でも、公開情報の読み方と1次情報の重ね方を整理しています。

将来性を見るための4つの判断軸

将来性は「市場の方向性」「顧客・取引先の広がり」「資金調達と事業の進み方」「人材採用の継続性」の4軸で判断します。1軸だけで決めず、2軸以上の情報が同じ方向を指しているかで見ます。

判断軸何を見るか一次情報の例
市場の方向性事業領域の国内市場の広がり、政策の後押し内閣官房 スタートアップ総力創出パッケージ(新しいタブで開きます)、各省庁の白書
顧客・取引先の広がり導入社数・業界分布、同業・異業種への展開企業HPの導入事例、プレスリリース
資金調達と事業の進み方調達ラウンド、累計調達額、投資家の構成VEC 年度速報(新しいタブで開きます)、Japan Startup Finance(INITIAL/スピーダ)(新しいタブで開きます)
人材採用の継続性新卒・中途採用の継続、職種の拡張若者雇用促進法の職場情報、企業の採用ページ

出典:各ページを2026年10月に確認。資金調達の規模は、VECの集計(2025年度の国内VC投資額は3,181億円、2026年6月11日公表速報値)と、INITIALの集計(2025年通年の国内スタートアップ資金調達額は7,613億円、2026年1月19日公表)で、調査対象の範囲が異なります。合算して読まないよう注意します。

軸1:市場の方向性

志望先の事業が属する市場で、国の政策・大手の参入・技術の流れがどこへ向かっているかを見ます。経産省・国交省・農水省など、所管省庁の白書・政策文書を一次情報として使います。「市場が伸びているから成長が約束される」とは言い切れませんが、市場が縮小している領域で複数年の成長を続ける難易度は高くなります。

軸2:顧客・取引先の広がり

企業HPの「導入事例」「お客様の声」「プレスリリース」から、取引先の業界分布と規模を確認します。1社に売上の大半が偏っていると、その1社の方針変更で影響を受けやすくなります。業界の分散、企業規模の分散を見ます。

軸3:資金調達と事業の進み方

VC・エンジェル投資家からの資金調達は、事業の進み方を示す1つの指標です。シリーズA・B・C・Dと進む過程で、調達額・投資家・用途を複数回のリリースで追うと、事業の節目が見えます。ただし、スタートアップ総力創出パッケージ(2026年5月20日)(新しいタブで開きます)によれば、国内スタートアップの資金調達額は8,876億円(2021年)から7,613億円(2025年、速報値)へと縮小傾向もみられ、調達ラウンドが進んでいること自体が成功を保証するわけではありません。

軸4:人材採用の継続性

複数年にわたって新卒・中途を継続採用しているかは、組織の規模拡大の方向性を映します。採用ページ・求人媒体の掲載状況、しょくばらぼ(新しいタブで開きます)の数値を確認します。ただし、採用の多さだけで「成長している」と結論付けると、離職率が高い場合に見誤ります。採用数と離職率はセットで見ます。

就活生

将来性って、入社前の情報だけで本当に判断できるんでしょうか?

ベンチャールーキーズ編集部

将来性を「断定」することは、公開情報だけでは難しいです。ただし、記事内で紹介した4軸(市場・顧客・資金調達・人材採用)を重ねて見ると、「複数の軸が同じ方向を指している」のか「軸ごとにばらつく」のかは判断材料として揃います。

本記事では「どの資料に当たるか」「何を見るか」「何が分からないか」を分けて整理しています。入社前の判断の精度を上げるには、分からない部分を正直に認めたうえで、面談や面接で正面から確かめる形が現実的です。

将来性の情報を集めても最後の判断に迷うときは、自分の軸と照らし合わせる自己分析の手伝いが使えます

法律に基づく職場情報の提供制度を使う

若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)では、新卒採用で企業が3類型の職場情報を提供することが定められています。応募者から求めがあれば、3類型のうちそれぞれ1項目以上を提供する義務があり、企業規模にかかわらず適用されます(厚生労働省 職場情報の提供(新しいタブで開きます))。

類型項目の例
①募集・採用の状況直近3事業年度の新卒採用者数・離職者数・男女別人数、平均勤続年数
②職業能力の開発・向上研修の有無・内容、自己啓発支援、メンター制度、キャリアコンサルティング制度
③職場への定着の促進月平均所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得者数、役員・管理職に占める女性比率

出典:厚生労働省 職場情報の提供制度(新しいタブで開きます)、事業主向けリーフレット(新しいタブで開きます)。根拠条文は若者雇用促進法13条(e-Gov 青少年の雇用の促進等に関する法律(新しいタブで開きます))。

聞き方の手順

  • 書類提出前の企業説明会・面談で聞くときは、「3類型のうちこれを教えてほしい」と項目を指定して依頼します
  • 選考段階が進んでから聞くときは、面談の冒頭に「公開情報で◯◯までは確認しました。追加で△△を教えてもらえますか」と伝えます
  • 回答の時期は、応募者の求めから妥当な期間内に提供する運用が原則です(事業主向けリーフレット)。即答が難しい場合は書面・メールでの後日回答を依頼します

ただし、幅広い情報提供は努力義務(法13条1項)であり、求めがあっても全項目を出す義務まではありません。回答の精度・時期は企業ごとに差があります。詳細はベンチャーの離職率はどう見るか、公的データの読み方と面接での質問にも整理しています。

しょくばらぼ・女性の活躍推進企業データベースの併用

公的に公開されている職場情報は、しょくばらぼ(新しいタブで開きます)と女性の活躍推進企業データベース(新しいタブで開きます)でも検索できます。両サイトとも企業の自主登録のため、掲載が無い企業もあります。「掲載が無い=悪い」ではなく、職場情報を直接聞ける情報源として、法律に基づく情報提供制度を使う前提で考えます。

関連記事:ベンチャー企業の見極め方、新卒が入社前に何をどこで確かめればいいか、ベンチャーの離職率はどう見るか、公的データの読み方と面接での質問。

面談・面接で将来性を聞く質問の作り方

面談・面接で聞く質問は、「公開資料で◯◯まで確かめた」の前置きとセットで組み立てます。前置きが無いと「調べれば分かること」を聞いていると受け取られ、評価が下がる可能性があります。

質問の型と避けたい聞き方

使える質問の型

  • 事実の確認:「御社のHPで◯◯を拝見しました。△△の時点から□□へ、どのような経緯で変化してきたのでしょうか」
  • 方針の確認:「資金調達のリリースで◯◯の用途と拝見しました。向こう1~2年で、どの領域に投資を集中させる計画でしょうか」
  • 継続性の確認:「新卒採用を複数年にわたり続けていらっしゃいますが、入社後の若手の方々の活躍の場はどのように広がっているでしょうか」

避けたい聞き方

  • 「御社の将来性について教えてください」のように抽象的な聞き方
  • 「◯◯と△△、どっちが伸びると思いますか」のように予測を迫る聞き方(面接官も予測はできません)
  • 公開情報で確認できる内容を聞く(会社の設立年・事業内容など)

選考段階ごとの質問の作り方

  • 書類提出前:公開情報を4軸で整理してから、不明点をリスト化します
  • 一次・二次面接:事業・組織・人の順で、関心を1~2項目に絞って聞きます
  • 最終面接・社長面接:中長期の方針や、自分の関心と重なる領域を1項目に絞ります

カジュアル面談で新卒が聞くべき質問、ベンチャーを見極める4つの軸と準備、ベンチャー面接で聞かれる質問と答え方、評価軸から逆算する準備の順番も合わせて参考にしてください。

採用する側は将来性の質問でどこを見ているか

ベンチャーの採用では、将来性に関する質問の有無・内容が、応募者の事業理解度と志望の本気度を測る材料にされやすいと考えられます。公開情報から合理的に整理した、見られやすい観点は大きく3つに分かれます。

観点見られやすいポイント
公開情報を読んでいるか自社HPのプレスリリース・調達リリース・採用ページを読んだうえで質問に落とし込めているか
抽象質問ではなく仮説を持てているか「将来性を教えてください」ではなく、「◯◯の事業が△△の方向に伸びると見ているが、理解は合っているか」まで踏み込めているか
事業理解と自分の志望理由をつなげられているか事業の方向性と、自分のやりたいこと・活かしたい経験が、どこで結びつくかを言語化できているか

出典:企業の公開情報(採用ページ・調達リリース)の記載と、本記事で紹介した若者雇用促進法に基づく職場情報の提供制度の実務から整理した観点です。企業ごとの評価基準は異なるため、面談で確かめる前提で読んでください。

大手企業の採用でも事業理解は見られますが、ベンチャーでは「組織と事業の変化が速いこと」を前提に、志望者が自分で情報を取りに来ているかが相対的に強く問われます。ベンチャー面接で聞かれる質問と答え方、評価軸から逆算する準備の順番、ベンチャー最終面接・社長面接で見られる3軸、落ちる理由と対策も合わせて読むと、面接での質問の組み立てがつながります。

読者タイプ別の調べ方

志望の絞り込みの進み方で、どこに時間をかけるかが変わります。

  • 1社に絞って受けている人:志望先が絞れているなら、4軸の全てを数週間かけて深く調べる進め方が合います。公開情報を一通り集めたら、面談・面接で確かめる質問を10~15個ほど準備します
  • 複数社を並行して受けている人:全社で4軸を深掘りすると時間が足りません。「市場の方向性」と「顧客・取引先の広がり」を軽く見て、面談・面接の段階で「資金調達と事業の進み方」「人材採用の継続性」を確かめる優先度で動きます
  • まだ業界を絞り切れていない人:まずJ-Startup(新しいタブで開きます)の選定企業の一覧、業界団体のレポート、業界紙の見出しから、関心のある領域に出てくる企業名を集めます。企業単体の将来性ではなく「業界の方向性」から入ると、関心の軸が整理しやすくなります

ベンチャー就活の全体の流れは28卒の就活は何から始めるべきか?いまの時期から逆算する優先順位に、ベンチャーと大手の比べ方はベンチャーと大手はどっちがいいか、新卒の1社目を決める判断の順番にまとめています。

よくある失敗と対策

将来性の調べ方で、新卒が特に陥りやすい5つの失敗を整理します。

失敗1:資金調達額の多さだけで将来性があると判断する

資金調達は事業の進み方の1つの指標ですが、使い道・調達の時期・市場環境を含めて見ないと判断を誤ります。Japan Startup Finance(INITIAL/スピーダ)(新しいタブで開きます)によれば、2026年上半期は総額増の裏で「選別」が深まる傾向もあり、調達の量だけで前年と単純比較はできません。累計調達額・直近ラウンドの投資家・用途を本文で確認します。

失敗2:「業界No.1」「◯年連続成長」などの自称値を鵜呑みにする

企業HP・プレスリリースの数字は、算出方法・母集団を本文で確かめないと比較できません。「◯年連続成長」が全社売上なのか特定事業の売上なのか、算出時点・母集団を記載から読み取ります。

失敗3:決算公告が確認できないだけで「怪しい」と判断する

決算公告の運用は企業により差があり、HPに掲載されていなくても即座に法令違反と断定はできません。会社法の規定と企業の実務のギャップがあるため、公告以外の情報源(職場情報の提供制度、取引先、資金調達リリース)を複合的に見ます。

失敗4:公開情報だけで最終判断を下す

非上場ベンチャーは、公開情報の精度に限界があります。公開情報を集めた後に、面談・面接で「公開情報で分からなかった前提」を正面から確かめます。カジュアル面談で新卒が聞くべき質問、ベンチャーを見極める4つの軸と準備の進め方も参考にしてください。

失敗5:取引先ロゴだけで「業績が安定している」と判断する

導入事例の大手ロゴは、取引の深さまでは示しません。「導入事例に出ているが取引はごく小規模」というケースもあります。導入時期・導入規模・継続年数を併せて確認するか、面談で聞きます。

公開情報で確かめるチェックリスト

  • 法人番号公表サイトで商号・所在地・法人番号指定年月日を照合した(設立年月日は会社HPや登記事項証明書で別途確認)
  • 自社HPに決算公告の記載があるか確認した(無ければ公告場所を質問リストに入れた)
  • J-Startup・業界団体の採択履歴を確認した
  • 直近1~2年の資金調達リリースを本文で読み、調達額・用途・投資家を記録した
  • しょくばらぼ・女性の活躍推進企業データベースの掲載を確認した
  • 若者雇用促進法の3類型で何を聞くかをリスト化した
  • 面談・面接の質問を「公開情報で◯◯まで調べた前置き」とセットで用意した

よくある質問

非上場ベンチャーの売上や利益を調べる方法はありますか

企業HPの決算公告・プレスリリース、インターネット官報(新しいタブで開きます)、帝国データバンク(新しいタブで開きます)や東京商工リサーチ(新しいタブで開きます)の有料レポートがあります。公開情報だけで見られる範囲では売上・利益の全体像までは分からないことが多く、資金調達リリース・取引先・採用状況などの間接情報を重ねて見ます。

会社四季報の未上場会社版は使えますか

東洋経済新報社から有料で発行されており、未上場企業の売上・利益・従業員数などが一部掲載されています。ただし掲載範囲は限定的で、志望先が載っていないこともあります。「掲載されていれば参考にする、載っていなくても異常ではない」と位置づけます。

「◯億円の調達」の金額はどこまで信じていいですか

資金調達額は、プレスリリースの本文で、調達主体・調達時期・調達ラウンド・用途を確認します。VEC 投資動向調査(新しいタブで開きます)の集計と、Japan Startup Finance(新しいタブで開きます)の集計では、調査対象の範囲や集計方法が異なるため、単純比較はできません。1件のリリース数字は、総額の中での位置付けを市場全体の集計と見比べると読みやすくなります。

離職率は非上場企業でも分かりますか

厚生労働省の新規学卒者の離職状況(新しいタブで開きます)は事業所規模別の集計で、個別企業の離職率ではありません。個別企業の離職率は、若者雇用促進法に基づく職場情報の提供制度で、応募者が企業に求めることができます(3類型のうち①募集・採用の状況に該当)。詳細はベンチャーの離職率はどう見るか、公的データの読み方と面接での質問で扱っています。

法人番号公表サイトで何が分かりますか

商号・本店所在地・法人番号・法人番号指定年月日・商号変更履歴・所在地変更履歴です。利用料金はかからず、ログインも不要です。設立年月日とは別物のため、設立日は会社HPの会社概要や登記事項証明書で確認します。志望先の正式商号と登記上の所在地が、採用ページの記載と一致しているかの照合に使えます。

J-Startup選定企業は入社先として安全ですか

J-Startup(新しいタブで開きます)は経済産業省が有望なスタートアップを選定する制度で、2026年5月時点で累計約270社が選定されています(スタートアップ総力創出パッケージ 2026年5月20日(新しいタブで開きます))。政府が成長支援の対象としている事実は1つの参考材料ですが、個別企業の労働環境・給与・配属を保証するものではありません。

設立年数が浅いことは将来性にマイナスですか

設立年数の浅さは、組織体制の整備や採用の継続性で見える差につながりやすいですが、将来性に直結する指標ではありません。設立年数より、創業からの事業の進み方(調達ラウンド、顧客の広がり、人材採用の継続性)を4軸で見ます。

面談・面接で「将来性について教えてください」と聞いても大丈夫ですか

抽象的な聞き方は避けます。「資金調達のリリースで◯◯の用途と拝見しましたが、向こう1~2年で、どの領域に投資を集中させる計画でしょうか」のように、公開資料で確認した前提を添えて具体的に聞きます。

補助金・助成金の採択はどこで調べられますか

経済産業省(新しいタブで開きます)・中小企業庁(新しいタブで開きます)・各都道府県の産業振興部門のサイトで、採択結果が公表される場合があります。採択の有無で業績を判断するのではなく、「国・自治体の政策テーマとどの程度合致しているか」を見る材料として使います。

ベンチャーキャピタルの出資があれば安心して入社していいですか

VC出資は資金調達の1つで、事業の進み方の指標として参考になりますが、出資があることと働く環境・配属・給与とは別の判断軸です。ベンチャーの年収は上がらないのか、昇給の仕組みと評価制度の見方、ベンチャーの教育体制はどうなっているか、研修がない会社と育つ会社の違いも合わせて確認します。

まとめ

非上場ベンチャーの業績や将来性は、公開情報と法律に基づく情報提供制度を組み合わせれば、新卒でも入社前に判断材料をかなり増やせます。開示の範囲には限界がありますが、5つの情報源と4つの判断軸を使って集めたうえで、面談・面接で「公開情報で分からなかった前提」を正面から聞きます。

  • 5つの情報源:法人番号公表サイト/若者雇用促進法の職場情報/しょくばらぼ/ベンチャー白書・INITIAL/J-Startup
  • 4つの判断軸:市場の方向性/顧客・取引先の広がり/資金調達と事業の進み方/人材採用の継続性
  • 業績は、法人の実在確認 → 決算公告の確認 → 間接情報の収集の3手順で近づける
  • 若者雇用促進法13条の3類型は、応募者が項目を指定して企業に求められる
  • 面談・面接の質問は、「公開情報で◯◯まで調べた」の前置きとセットで組み立てる

次のアクションとしては、志望先1社について、本記事のチェックリストを1枚にまとめ、公開情報で埋められる箇所と、面談・面接で聞く箇所を分けてみてください。関連記事はベンチャー企業の見極め方、新卒が入社前に何をどこで確かめればいいか、ベンチャーと大手はどっちがいいか、新卒の1社目を決める判断の順番、カジュアル面談で新卒が聞くべき質問、ベンチャーを見極める4つの軸と準備にまとめています。

運営:株式会社ヘルスベイシス/ベンチャールーキーズ編集部

スタートアップファーストキャリア企業の見極め入社後のリアル

ベンチャールーキーズ編集部
公的機関や調査会社が公表しているデータをもとに記事を作成しています。ES添削・面接対策などの相談には、新卒採用の選考に携わってきたメンバーが対応します。

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