ベンチャーで副業はできるか、新卒が就業規則で確かめる4つのポイント

ベンチャーで副業ができるかは企業ごとに違い、厚生労働省のモデル就業規則では原則容認です。実務上は届出制か許可制かで扱いが分かれ、新卒の初年度に制限を設ける会社もあります。新卒が選考段階で就業規則から副業の可否と条件を見分ける4つのポイントと、入社後に気をつける労働時間・競業避止の線引きを公的資料で整理します。
先に結論
- 副業の可否は会社ごとに違う。法令上の一律禁止はなく、就業規則で定められている
- 厚生労働省のモデル就業規則は、原則として副業を認める書き方(届出制)になっている
- 新卒の初年度は、本業の立ち上がり期として副業を制限する会社もある。選考段階で確認する
- 確かめるポイントは4つ、①副業規定の有無/②届出制か許可制か/③禁止される範囲/④労働時間の通算
- 新卒・若手の副業実施率は、民間調査で20代男性20%・正社員全体11.0%(2025年調査) に上がっている
この記事で分かること
- 副業について国が示している原則(厚生労働省ガイドラインとモデル就業規則)
- 就業規則で副業の可否と条件を見分ける4つの確認ポイント
- 新卒がベンチャーで副業を考えるときに気をつける3つのこと
- 選考段階(カジュアル面談・採用ページ・求人票)で副業の方針を確かめる方法
- タイプ別(副業したい/本業に集中したい/起業志向)の判断材料
「ベンチャーで副業できるか」を一社ずつ調べるのが大変なときは、志望業界と働き方の希望を一緒に整理しながら候補を絞れます。
前提:ベンチャーで副業はできるのか、何が決まっているのか
結論から言うと、法律で副業を一律に禁止している規定はありません。 副業ができるかは、各社の就業規則で定められています。厚生労働省のガイドラインとモデル就業規則が、企業が規則を作るときの標準になっています。
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示す原則
厚生労働省は、2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、2022年7月に改定しました。働く人の時間外の過ごし方は本人の自由であるため、企業は原則として副業・兼業を認める方向で検討することが望ましいとされています。企業は、副業・兼業の可否と条件を自社のホームページなどで公表することが望ましいとも書かれています(2022年7月改定分で追加)。
| 文書 | 発行主体 | 要点 |
|---|---|---|
| 副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定) | 厚生労働省 | 原則として副業・兼業を認める方向で検討する/労働時間の通算ルール/健康管理の考え方 |
| 副業・兼業ガイドライン わかりやすい解説(2025年3月) | 厚生労働省 | 企業の対応手順・届出様式例・情報公表のポイント |
| モデル就業規則(第70条・2018年1月改定) | 厚生労働省 | 「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と原則容認を明記 |
出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説(2025.3)(新しいタブで開きます)/副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)(新しいタブで開きます)
モデル就業規則は原則容認、禁止できるのは4つの例外
厚生労働省のモデル就業規則では、副業・兼業を原則認めつつ、主に次の4つの場合には禁止・制限できるという考え方が示されています。これはガイドラインとモデル就業規則上の整理であり、個別の運用は会社ごとに異なります。
| # | 禁止・制限できる場合 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1 | 労務提供上の支障がある場合 | 副業で長時間労働になり、本業に遅刻・欠勤・集中力低下が生じる |
| 2 | 業務上の秘密が漏洩する場合 | 顧客情報・開発中の製品情報を扱う副業に就く |
| 3 | 競業により会社の利益が害される場合 | 本業と同じ事業領域の他社・個人事業を行う |
| 4 | 会社の名誉・信用を損なう行為、信頼関係を破壊する行為がある場合 | 反社会的な活動、ブランドを傷つける発信 |
出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説(2025.3)(新しいタブで開きます)(モデル就業規則の規定抜粋)
ベンチャーでも、この4要件に当てはまらない副業(例:土日に別業界のライターをする、学生時代から続けている個人開発を続ける)については、ガイドラインの原則容認の考え方に照らして認められる場合が多くなります。 ただし、実際の可否は各社の就業規則と運用で決まるため、就業規則の条文を自分で読んで確かめる必要があります。
副業の実施率はどこまで広がっているか
正社員の副業実施率と、企業の副業容認率を公的・民間調査で見ます。ベンチャーに限定した公的統計は現時点でなく、全業種・全規模の数値と、民間の定量調査を併記します。
| 調査 | 発表時期 | 対象 | 主な数値 |
|---|---|---|---|
| 副業の実態・意識に関する定量調査(第四回) | 2025年10月 | パーソル総合研究所/就業者約3万人 | 正社員の副業実施率11.0%(過去最高)。20代男性は20.0%で前年比11pt増。企業の副業容認率64%、副業人材の受け入れ率29% |
| 副業者の就労に関する調査(調査シリーズNo.245) | 2024年7月 | JILPT/副業している雇用者 | 副業の主な理由は「収入補填」が最多だが、「スキルアップ」「人脈形成」の割合も増加 |
出典:パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表)(新しいタブで開きます)/労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」調査シリーズNo.245(2024年7月)(新しいタブで開きます)
※ 上記はいずれも新卒・若手に限定した数値ではありません。「ベンチャー社員の副業率」をそのまま示す公的データは、2026年10月時点で確認できていません。社内に副業経験者がいるかどうかは、カジュアル面談やベンチャー社員へのOB訪問で直接聞くほうが確かです。
就業規則で確かめる4つのポイント
ここからは、新卒が選考段階でその会社の副業ルールを就業規則から読み取るための確認ポイントを4つに整理します。就業規則は入社時に全文を渡される会社がほとんどですが、選考中に全文を見られる会社は少ないため、採用ページ・求人票・面談でこの4点を言い換えて聞くのが現実的です。
①副業の規定があるか、禁止・容認・条件付のどれか
まず就業規則に副業の規定自体があるか、ある場合は3通りのどれかを確かめます。
| 類型 | 書き方の例 | 新卒の見方 |
|---|---|---|
| 原則容認 | 「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」 | モデル就業規則と同じ。副業しやすい設計 |
| 条件付容認(届出制・許可制) | 「副業・兼業を行う場合は、事前に会社に届け出なければならない」「~許可を得なければならない」 | 原則認めるが手続きあり。手続きの重さは次の②で確認 |
| 原則禁止 | 「許可なく他の会社等の業務に従事してはならない」 | 原則禁止だが、申請すれば認められる場合もある |
「副業禁止」とだけ書かれていても、会社が合理的な理由なく一律に禁じられるわけではないという考え方が広がっていますが、新卒入社でトラブルを避けるには、就業規則どおりに運用されると想定しておくのが安全です。副業したい意思が強いなら、原則容認か条件付容認の会社を選びます。
②届出制か許可制か、新卒の扱い
条件付容認の場合、「届出制」と「許可制」の違いが大きく、手続きの手間と、認められる副業の幅が変わります。
| 制度 | 内容 | 実務上の違い |
|---|---|---|
| 届出制 | 副業を始める前に会社に届け出れば、原則として開始できる | モデル就業規則が採る方式。会社は内容を把握するが、原則認める前提 |
| 許可制 | 副業の内容を会社が審査し、許可されたものに限り行える | 会社の判断で不許可もあり得る。承認フローの長さが運用上の壁になる |
さらに新卒の場合、「入社後◯年間は副業を認めない」「試用期間中は不可」といった制限がある会社もあります。これは本業の立ち上がり期(新しい仕事の習得と社内の関係づくり)を優先させるためで、就業規則で設けられている場合があります。ただし、制限の合理性は期間や理由、運用によって評価が分かれる論点でもあるため、就業規則の条文と実際の運用の両方を確認するのが安全です。新卒入社直後から副業したい場合は、入社時点から申請できる会社か、何年目から認めるルールかを面談で聞いておくとギャップが少なくなります。
③禁止される副業の範囲、競業・秘密保持の線引き
原則容認・届出制であっても、前章の4要件(労務影響・秘密漏洩・競業・信頼関係)に当たる副業は認められません。ベンチャーでは「競業避止」の範囲が広めに取られることがあり、確認が特に大事です。例えば次のような副業は、本業との関係で問題になりやすいです。
- 本業と同じ事業ドメイン(SaaS・HR・不動産テック等)の他社や個人事業
- 本業で得た顧客リスト・開発ノウハウを使うコンサルティング
- 本業の情報を発信するSNS運用・メディア執筆(内容が守秘義務に抵触するもの)
一方、次のような副業は4要件に当てはまりにくく、認められやすい傾向があります(断定ではなく、就業規則の条文と運用で判断されます)。
- 本業と事業領域が離れたライター・翻訳・デザイン
- 学生時代から継続している個人開発・コンテスト出場
- 休日の飲食店スタッフなど、本業と全く別業種のアルバイト
④労働時間の通算ルールと健康管理
複数の会社で雇われて働く場合、労働基準法上は労働時間が通算されます(労働基準法第38条)。副業先と本業の労働時間を足して、法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)や時間外労働の上限(単月100時間未満・複数月平均80時間以内)を超えないよう管理する責任が、両方の会社に課されます。
ガイドラインでは、通算を厳密に行う「原則的な方法」と、各社があらかじめ上限を取り決める「管理モデル」の2つが示されています。フリーランス契約(業務委託)での副業は労働者としての契約ではないため、労働時間の通算対象外ですが、本業への健康面の影響は変わらないので、本業の会社が健康管理の観点で届出を求めるのは一般的です。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 複数の雇用契約の労働時間 | 原則通算(労基法38条)。法定労働時間を超えた場合、割増賃金の支払義務は原則として「後から労働契約を締結した使用者」が負う |
| 業務委託・フリーランスの副業 | 労働時間の通算対象外(労基法の対象でない)。ただし健康管理上の届出は求められるのが一般的 |
| 時間外労働の上限 | 単月100時間未満・複数月平均80時間以内(本業+副業の合計) |
出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)(新しいタブで開きます)/厚生労働省「副業・兼業と労働条件」(新しいタブで開きます)

就活生
就業規則の条文って入社前に見られないことが多いけど、どうやって4つのポイントを確かめればいいの?

ベンチャールーキーズ編集部
就業規則の全文は入社後に渡されるのが一般的で、選考段階ですべては確認できないことが多いです。前章で見た厚生労働省のガイドラインは、副業・兼業の情報を会社のホームページなどで公表することを望ましいとしているため、まずは企業の採用ページとFAQを確認してください。それでも分からないときは、カジュアル面談や内定後の面談で「副業の規定は原則容認・届出制・許可制のどれですか」「入社初年度から申請できますか」「禁止される副業の範囲はどこまでですか」の3問を聞くと、就業規則の条文を見なくても骨格は分かります。会社がこの質問を嫌がる場合、就業規則の運用も厳しめと見ておくのが安全です。
「副業できる会社」の見分け方や、聞くべき質問の整え方を一緒に組み立てられます。志望業界が決まっていなくても大丈夫です。
新卒がベンチャーで副業を考えるとき注意する3つ
新卒がベンチャーで副業を考えるときは、就業規則の確認とは別に、本業の立ち上がり・契約上の義務・税務の3点に注意します。
①本業の立ち上がり期と副業の両立
新卒1年目は、業務のキャッチアップに時間がかかります。ベンチャーは1人の裁量が広く、ベンチャーの新卒1年目に実際に起きることでも触れたように、業務範囲が入社直後から広がる会社も多くあります。本業で評価を得てから副業の時間を増やす、という順番のほうが、長期的には副業も続けやすくなります。目安として、本業の業務サイクル(半年~1年)を一度回してから副業を始めるかを決めるくらいでも遅くありません。
②競業避止・秘密保持の線引き
ベンチャーは少人数で機密情報を扱うことが多く、競業避止と秘密保持の線引きが本人の判断に委ねられやすいという特徴があります。前章の4要件に照らして、本業の事業領域・顧客・技術ノウハウに触れない副業を選ぶのが基本です。副業で発信するSNS・ブログの内容が、本業の情報に触れないかも事前にチェックします。
③税務・社会保険、本業に副業がバレる経路
副業で年20万円を超える所得があると、確定申告が必要になります(給与所得が年末調整済みで、他に20万円以下の給与・雑所得等がない場合を除く)。本業に副業の存在が伝わる主な経路は、住民税の特別徴収です(副業分の住民税が本業の給与から天引きされる)。確定申告時に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」にすると、本業の給与から副業分の住民税は引かれなくなります(ただし自治体によっては対応が異なり、給与所得については普通徴収を選べない場合があります)。
この3点は副業が「できるか」ではなく「安全に続けられるか」の論点です。就業規則で容認されていても、ここを押さえずに始めると本業に支障が出ます。
選考段階で副業の方針を確かめる方法
就業規則の条文を内定前に全文確認するのは難しいため、採用ページ・求人票・面談の3つのルートで副業の方針を確かめます。ベンチャー企業の見極め方の章立てと同じ考え方で、情報源を複数組み合わせます。
①採用ページ・求人票の記載を見る
副業を認めている会社は、採用ページの「働き方」「福利厚生」に「副業OK」「副業・兼業可(届出制)」「サイドプロジェクト歓迎」などの記載があります。前章で触れた厚生労働省のガイドラインが、情報公表を望ましいとしていることもあり、容認している会社は明示する傾向が強まっています。求人票にも「副業可」と書かれていれば、入社後の制限が小さいと判断できます。
②カジュアル面談・OB訪問で聞く
採用ページに書かれていない場合、カジュアル面談で新卒が聞くべき質問の枠で聞くのが自然です。聞き方の例は次の通りです。
- 「御社の就業規則では副業はどのように定められていますか。届出制でしょうか、許可制でしょうか」
- 「新卒入社初年度から副業の申請はできますか」
- 「副業で避けるべき範囲(競業・秘密保持)はどのあたりまでですか」
同じ会社の若手社員とOB訪問できる場合は、「実際に副業している社員はいますか」「申請して認められた副業の例を教えてください」と聞くと、運用の実態が分かります。
③青少年雇用情報・公的データベースの限界
若者雇用促進法に基づく「青少年雇用情報」や、職場情報総合サイト「しょくばらぼ」は、新卒採用者数・離職率・平均所定外労働時間などの公表義務情報をまとめていますが、副業の可否は公表義務の項目に含まれていません。これらのデータベースは、ベンチャーの離職率はどう見るかで紹介したように、離職・労働時間の確認には有効ですが、副業方針の確認には向きません。副業については採用ページと面談で確かめます。
ケース別:どう考えるとよいか
副業の方針を就業規則から確認したあと、自分の志向に合わせて3つのタイプに分けて考えます。
ベンチャーで副業したい前提の人
パーソル総合研究所の2025年調査では、20代男性の副業実施率は20.0%と、他の年代・性別より高くなっています。副業したい意思が強い人は、①原則容認(届出制)/②入社初年度から申請可/③競業避止の範囲が明示されているの3条件がそろう会社を優先します。採用ページに副業に関する記載がある会社から絞ります。
まずは本業に集中したい人
副業容認は「副業しなければならない」ではありません。本業の立ち上がりに集中したいなら、副業の有無は選社軸から外して構いません。ベンチャーの教育体制はどうなっているかの章で見たように、研修と立ち上がりの手厚さを優先する選び方のほうが、1社目の経験の質は上がります。
ベンチャーで副業・起業を考える人
将来の起業に向けて、副業で小さく事業を始めたい人は、競業避止の線引きが特に重要です。本業の会社と事業領域が近い個人事業は、就業規則で禁止される可能性が高くなります。ベンチャー就職は起業の近道かで触れた「1社目で何を身につけるか」の視点と、副業で何を試すかを分けて考えます。副業で得た知見を本業の会社に還元する動きができると、認められる副業の幅が広がる会社もあります。
よくある失敗と対策
副業の可否を見誤って入社後に困る失敗を3つ挙げます。
失敗①:採用ページの「副業OK」だけで判断する
「副業OK」の記載があっても、実際には届出が煩雑で許可が出にくい会社があります。採用ページの表記だけで決めず、面談で「実際に副業している社員の割合」「申請から承認までの平均日数」を聞きます。
失敗②:新卒初年度の制限を見落とす
副業は容認されていても、「入社後1年間は不可」「試用期間中は不可」の制限は珍しくありません。新卒入社直後から副業したい人は、何年目から認められるかを内定前に確認します。
失敗③:副業先と本業の競業に気づかずに始める
「本業と業界が違うから大丈夫」と考えて始めた副業が、本業の顧客・取引先と重なってしまうケースがあります。副業を始める前に、本業の会社の主要顧客・事業領域リストと照らします。
事前チェックリスト
- 採用ページで副業の記載を確認した
- 面談で「届出制か許可制か」「新卒初年度から申請可か」を聞いた
- 禁止される副業の範囲(競業避止の線)を確認した
- 副業で予定する業務が、本業と事業領域・顧客で重ならないか確認した
- 副業の労働時間と本業を合わせた月の時間が、法定上限(単月100時間未満)に収まるか試算した
よくある質問
ベンチャーは大手より副業が認められやすいですか
ベンチャーか大手かだけでは判断できません。副業の可否は、企業規模よりも各社の就業規則と運用で決まります。大手でもIT・コンサルを中心に副業容認が広がっており、副業容認率は企業全体で64%です(パーソル総研2025年調査)。会社ごとに就業規則を確認してください。
新卒1年目でも副業はできますか
会社の就業規則によります。新卒初年度を制限する会社もあれば、入社直後から申請を認める会社もあります。選考段階で、入社時点から申請できる会社かを面談で確認します。
副業禁止と書かれている会社で副業したら解雇されますか
4要件(労務影響・秘密漏洩・競業・信頼関係)に当たる副業は解雇や懲戒処分の対象になり得ます。4要件に当たらない副業を一律で禁止することは合理性を欠くとされていますが、新卒入社直後にトラブルを避けるには、就業規則どおりに運用されると想定して対応するのが安全です。
フリーランスの業務委託は副業に含まれますか
会社の規定によります。業務委託は労働時間の通算対象外(労基法の対象でない)ですが、健康管理や競業避止の観点で届出を求める会社もあります。就業規則で「副業・兼業」の定義を確認してください。
副業の収入が月いくら以上だと確定申告が必要ですか
副業の所得(売上から経費を引いた額)が年20万円を超えると確定申告が必要です(本業で年末調整済み、他に20万円以下の給与・雑所得等がない場合を除く)。詳細は国税庁の案内を確認してください。
住民税の普通徴収を選べば本業に副業がバレませんか
自治体により対応が異なります。確定申告時に住民税の徴収方法で「自分で納付(普通徴収)」を選ぶと、副業分の住民税は会社の給与から天引きされません。ただし自治体によっては、給与所得については普通徴収を選べない場合があるため、お住まいの自治体に確認してください。
ベンチャーで副業している社員はどれくらいいますか
ベンチャーに限定した公的統計は現時点でありません。民間調査では正社員全体の副業実施率11.0%、20代男性20.0%(2025年) で、実施率は年々上昇しています。会社ごとの実態は、カジュアル面談で若手社員に直接聞くのが確かです。
副業の種類を会社に申告する必要がありますか
届出制・許可制の会社では、副業先・業務内容・労働時間を申告する必要があります。会社は、4要件(労務影響・秘密漏洩・競業・信頼関係)に該当しないかを確認するため、具体的な内容の報告を求めます。
副業で本業と同じ業界に関わると違反になりますか
競業避止の4要件に当たり、原則として禁止される可能性が高いです。本業の事業領域・顧客と重なる副業は、就業規則で明示的に禁止されていなくても、トラブルの原因になります。別業界の副業を選ぶほうが安全です。
副業を始めるときに本業の会社に相談するタイミングは
副業を始める前に、就業規則に沿って届出・申請してください。開始後に発覚すると、申告義務違反として処分の対象になります。届出様式は厚生労働省のガイドラインに例があり、会社が独自の様式を用意している場合はそれに従います。
副業ができる会社と、副業OKの会社の見分け方の違いは
「副業ができる」は制度上認められている、「副業OK」は採用ページで明示している、という違いがあります。制度上認められていても、申請が通りにくい会社や、実際にやっている社員が少ない会社もあります。採用ページの明示と、面談での実態確認を両方行います。
副業で得た収入は本業の給料に影響しますか
本業の給与計算には影響しません(別の会社との雇用契約・業務委託契約のため)。ただし、副業で雇用契約を結んだ場合、本業・副業の労働時間を通算して法定労働時間を超えると、割増賃金の支払義務が「後から契約を締結した使用者」に生じます。
まとめ
ベンチャーで副業ができるかは、法律の一律禁止ではなく、各社の就業規則で決まります。 厚生労働省のモデル就業規則は原則容認(届出制)で、禁止できるのは4要件(労務影響・秘密漏洩・競業・信頼関係)に当たる場合に限られます。
- 法令上の一律禁止はない。副業の可否は各社の就業規則で定められる
- 就業規則の確認ポイントは4つ、①規定の有無/②届出制か許可制か/③禁止される範囲/④労働時間の通算
- 新卒は本業の立ち上がり期を優先しつつ、競業避止・秘密保持・税務の3点に注意する
- 選考段階では採用ページ・求人票・面談の3ルートで方針を確かめる
- 正社員の副業実施率は11.0%、20代男性は20.0%(パーソル総研2025年)で広がっている
次のステップは、志望する会社の採用ページで副業に関する記載を確認し、記載がなければカジュアル面談で3つの質問(届出制/許可制・初年度の可否・禁止範囲)をすることです。関連して、ベンチャー企業の見極め方、ベンチャーと大手はどっちがいいか、ベンチャーの年収は上がらないのか、新卒がベンチャーに入るのはもったいないのか、ベンチャーのノリがきついか不安な人へも、入社前に合わせて見ておくとよい論点です。
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