ベンチャー新卒1年目で起きること、仕事・研修・働き方・壁を解説

ベンチャーの新卒1年目は、少人数組織で入社直後から実務に入ることが多い一方、研修や働き方は企業ごとに差が大きい状態を指します。見るべきは研修の厚さ・任される範囲・働き方・3ヶ月~半年の壁の4つで、入社前の確かめ方と1年目で辞めないための見方まで扱います。
先に結論
- ベンチャーの新卒1年目に起きることは、研修・任される仕事・働き方・1年目の壁の4つに分けて見ると整理しやすい
- 公的データで規模の差がはっきり出るのは研修。正社員にOFF-JT(職場を離れた研修)を行った事業所は、30~49人の企業で53.0%、1,000人以上で85.4%
- 有給休暇の取得日数の規模差は、30~99人と1,000人以上で年1.5日程度。働き方は規模より企業ごとの差が大きい
- 1社目を辞めた大卒の離職理由の1位は、全体値で「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」で32.8%
- 新入社員に変化が見えるまでに「3ヶ月程度」が33.9%、「半年以上」が33.9%で同数。3ヶ月~半年の時期が1年目の分かれ目になりやすい
この記事で分かること
- ベンチャーの新卒1年目に起きる4つのこと(研修・仕事・働き方・1年目の壁)
- 公的データで、規模の差が大きい項目と企業ごとの差が大きい項目の見分け方
- ベンチャーで任される仕事の範囲が、企業ごとに違う理由
- 1年目の壁が訪れる時期と、乗り越えた人の共通点
- 大手の新卒1年目との違い(企業比較で確認したい観点)
- 状況別(1本に絞って就活中/大手の内定もある/1年目で辞める不安)の考え方
1年目に起きることを事前に知ったうえで、自分の志望企業で何を確かめるかを一緒に整理できます
ベンチャーの新卒1年目に起きる4つのこと
ベンチャーの新卒1年目を一言で表すのは難しく、企業によって中身がかなり違います。整理するために、起きることを4つに分けます。この記事で使う公的データは企業や事業所の規模別の数値で、ベンチャーに限った集計ではありません。ベンチャーと小規模の企業は同じではなく、社員が数千人のメガベンチャーもあれば、ベンチャーではない小規模の企業もあります。
| # | 1年目に起きること | 公的データで見ると | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1 | 研修・教え方の仕組みが企業で違う | 30~49人の企業でOFF-JTを行った事業所は53.0%、1,000人以上で85.4% | 規模の差が大きい |
| 2 | 任される仕事の範囲が広くなりやすい | 規模別の公的な数値はない。企業の仕事設計で決まる | 企業ごとの差が大きい |
| 3 | 残業・休暇の規模差は小さい | 有給の取得日数は30~99人で11.3日、1,000人以上で12.8日。差は1.5日 | 企業ごとの差が大きい |
| 4 | 3ヶ月目に「1年目の壁」が見えてくる | 新入社員の変化が見えるまで「3ヶ月程度」33.9%、「半年以上」33.9% | 個人・企業の差が大きい |
4つのうち、公的な数値で規模の差がはっきり出るのは1の研修だけです。残り3つは、ベンチャーかどうかより、志望企業ごとの違いのほうが大きくなります。以下、順番に見ていきます。
研修とOJT:どう教わるのか
事業所規模別の研修実施率
正社員に研修を行った事業所の割合は、企業規模が小さいほど低くなります。
| 企業規模 | OFF-JT(職場を離れた研修)を実施 | 計画的なOJT(職場で計画を立てて教える)を実施 |
|---|---|---|
| 30~49人 | 53.0% | 44.4% |
| 50~99人 | 65.5% | 51.3% |
| 100~299人 | 79.6% | 70.4% |
| 300~999人 | 85.2% | 69.8% |
| 1,000人以上 | 85.4% | 78.4% |
出典:厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査」調査結果の概要(新しいタブで開きます)(2026年7月31日公表)。常用労働者30人以上の企業の事業所が対象で、2024年度に正社員へ実施した割合。
30~49人の企業では、OFF-JTを行った事業所は約半分でした。計画的なOJTを行った事業所も、1,000人以上の企業の約6割にとどまります。
注意点が2つあります。
- 30人未満の企業は調査の対象外。社員30人未満のベンチャー・スタートアップは、この表に入っていません
- 「研修がない」ことと「育たない」ことは同じではありません。少人数の企業では、先輩と並んで仕事をしながら教わる形もあります
1年目に誰から教わるか
ベンチャーで入社初期に教わる相手は、企業の規模と設計で変わります。大まかには次の3つに分かれます。
- 新卒を同時期に複数人採用する企業:集合研修と配属先のOJTの組み合わせになることが多い
- 新卒採用を始めて数年の企業:先輩社員が直接教える、またはチーム全員で分担して教える
- 10人以下の組織:決まった「教える人」が置かれず、業務の中で覚えていくことが多い
聞いておきたいのは「研修があるか」より「1年目に誰から、どのくらいの頻度で教わるか」です。研修の有無で育つかを判断すると、少人数で手厚く教える企業を見落とします。研修の中身の読み方は、「新卒でベンチャーはやめとけ」は本当かの「理由1」で整理しています。
任される仕事:範囲とスピードはどう決まるか
1年目の仕事を決める3つの要素
ベンチャーの1年目で任される範囲は、「ベンチャーだから広い」と一律には言えません。実際に決めているのは、次の3つです。
| 要素 | どんな場合に範囲が広がりやすいか |
|---|---|
| 事業フェーズ | 立ち上げ中の事業に配属されると、業務の切り分けが進んでおらず複数の仕事を担当することが多い |
| 配属先の人数 | 配属先が少人数のチームだと、1人が受け持つ範囲が自然と広くなる |
| 新卒の採用人数 | 同期が少ないと、本来は複数人で分担する範囲を1人で担うことがある |
裁量の広さは、裏側で「他に担える人が少ない」ことの表れでもあります。範囲が広いことと、育成が手厚いことは別の軸で考えてください。
大手の新卒1年目との違い
大手の新卒1年目は、仕事の範囲が設計されていて、担当できる業務の種類が決まっていることが多い。ベンチャーでは、業務が時期によって変わり、同じ職種名でも中身が違うことがあります。
- 大手で起きやすいこと:決まった業務を繰り返し、1年を通じて同じ職種の経験を積む
- ベンチャーで起きやすいこと:3~6ヶ月で担当範囲が変わる、別の職種の仕事を一時的に受け持つ
転職市場での評価の仕方はベンチャーから転職はできるのかで詳しく整理しています。範囲が広い経験は、「何を任され、何ができるようになったか」を自分の言葉で説明できる形に落とし込めるかどうかで、次の会社での評価が変わります。
働き方:残業・休暇の実態
有給の取得日数
有給休暇の取得状況を企業規模別に見ます。
| 企業規模 | 1人平均の取得日数 | 取得率 |
|---|---|---|
| 30~99人 | 11.3日 | 64.9% |
| 100~299人 | 11.7日 | 65.5% |
| 300~999人 | 12.3日 | 66.8% |
| 1,000人以上 | 12.8日 | 69.0% |
出典:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」(新しいタブで開きます)。常用労働者30人以上の民営企業が対象で、2024年1年間の実績。
30~99人と1,000人以上の差は、取得日数で年1.5日です。規模の差はありますが、休みやすさは企業ごとの差のほうが大きい項目です。
ミニFAQ:ベンチャーは残業が多いですか?
規模別に残業の多さを比べた、ベンチャーに限った公的な数値はありません。企業ごとの差が大きいため、前年度の月平均の残業時間を志望企業に問い合わせてください。求人票に「固定残業代(みなし残業代。一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含める仕組み)」とある場合は、何時間分がいくらかを見ます。固定残業代は、その時間を超えて働いた分は別途支払われる設計です。
1社目を辞めた理由の1位
大卒で初めて勤務した会社を辞めた人が挙げた理由の1位は、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」で32.8%でした(3つまでの複数回答)。
出典:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」(新しいタブで開きます)。2023年10月1日時点の15~34歳の若年労働者のうち、最終学歴が大学で、初めて勤務した会社を辞めた人が対象。規模別の集計ではなく、28卒自身の数値でもありません。
これは規模別に分けた集計ではなく大卒の全体値ですが、辞めた理由の全体の1位が働き方に関する項目であることは示されています。志望企業の月平均残業時間と、有給の平均取得日数を入社前に確認しておくと、入社後のギャップが小さくなります。
1年目の壁:3ヶ月目に何が起きるか
変化が見えるまでの期間
新入社員の変化を感じるまでにかかった期間は、育成を担当する社員への調査で次のようになっています。
| 感じるまでの期間 | 回答割合 |
|---|---|
| 1ヶ月未満 | 少数 |
| 1~3ヶ月 | 中程度 |
| 3ヶ月程度 | 33.9% |
| 半年以上 | 33.9% |
出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「職場における新入社員育成の実態調査」(PR TIMES 2025年6月16日発表)(新しいタブで開きます)。2024年12月のインターネット調査で、営業系・企画事務系・研究開発系などに従事する育成担当者1,226名が対象。
以下は民間調査であり、公的統計ではありません。母集団も「研修受講企業の育成担当者」で就活生や新卒本人の数値ではないため、傾向把握の参考値として読んでください。同調査の全体では、約7割が「3ヶ月以上」と回答しています。入社直後に変化を感じないのは珍しくなく、育ちは半年単位で見られる傾向があります。1年目の自分の状態を、入社3ヶ月の時点で評価しすぎないほうが安全です。
1年目の時期別に起きやすいこと
公的データ・民間調査から見える1年目の時期別の目安を整理すると、次のようになります。あくまで傾向で、企業や職種で前後します。
| 時期 | 新入社員側で起きやすいこと | 育成担当者側の見え方 |
|---|---|---|
| 入社~3ヶ月 | 業務用語・ツール・判断基準の習得。失敗が増える時期 | 「変化が見えるまで」が約3割、残りは半年以上と回答 |
| 3~6ヶ月 | 任される範囲が広がり、優先順位の調整が課題になる | 変化が見えてくる割合が増える |
| 6~12ヶ月 | 評価面談・配属替えで、入社前イメージとのズレが出やすい | 1年の成長の総括がされる時期 |
出典:期間の数値は株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「職場における新入社員育成の実態調査」(PR TIMES 2025年6月16日発表)(新しいタブで開きます)。民間調査のため傾向値として扱います。
1年目で挫折しやすい3つの場面
育成を担当する社員が感じる苦労の1位は「新入社員のメンタルやモチベーション管理」(26.1%)、2位は「新入社員との間のギャップ(考え・価値観・経験など)」(23.7%)でした(出典は上と同じ)。1年目に起きやすい場面を整理すると、次の3つに分かれます。
| 場面 | 時期の目安 | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 入社直後 | 1~3ヶ月目 | 業務用語・ツール・判断の基準に慣れず、スピードが上がらない |
| 中盤 | 3~6ヶ月目 | 任される範囲が広がり、優先順位がつけられず残業が増える |
| 後半 | 6~12ヶ月目 | 評価面談・配属替えなどのタイミングで、入社前のイメージとのズレが出る |
ベンチャーに限った数値ではないものの、新入社員全体を対象にした民間調査では、仕事・職場生活の不安の1位は「仕事についていけるか」で64.8%、「自分が成長できるか」が30.1%(前年比+4.6ポイント)でした(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2025」(新しいタブで開きます)。2025年3~4月、研修受講者718名〈公開型〉および2,795名〈インハウス型〉が対象)。

就活生
入社後に、思っていた仕事と違ったり自分が追いつけなかったりしたら、1年目でも辞めることになりますか?

ベンチャールーキーズ編集部
育成担当者を対象にした調査では、新入社員の変化が見えるまでに「3ヶ月程度」33.9%、「半年以上」33.9%で合わせて約7割が「3ヶ月以上」と回答しています。入社直後に自分の状態を強く評価しない時期があることは、育てる側も前提に置いています。
ギャップが出てきたと感じたら、辞める/辞めないを一人で決める前に、事実を1枚のメモに書き出してから相談する順番にしてください。「研修と実務にどんなズレがあるか」「どの仕事で詰まっているか」「本当に不安なのはどこか」の3つを並べると、育成担当者や社外の第三者と話がかみ合いやすくなります。
入社後に不安が出てきたときの整理の順番を、就活中・内定後の段階からお話しできます
大手と何が違うか:ベンチャーの新卒1年目で比べたい観点
ここまでで、ベンチャーの新卒1年目は研修に規模差、仕事・働き方・1年目の壁は企業ごとの差という傾向が見えました。企業比較のためにもう一段整理すると、1年目で違いが出やすいのは次の2点です。以下は公的統計の数値ではなく、採用サイト・面談・入社後の情報として確認しやすい観点を並べたものです。断定ではなく、確認する軸として読んでください。
任される範囲とフィードバックの頻度
| 比べる軸 | 大手で起きやすいこと | ベンチャーで起きやすいこと |
|---|---|---|
| 任される範囲 | 1年目は決まった範囲の業務を繰り返す | 3~6ヶ月で範囲が変わる、別業務を受け持つことがある |
| フィードバックの頻度 | 半期ごとの評価面談が中心 | 日常業務の中で、週単位・月単位でもらうことがある |
| 失敗の扱い | 影響範囲が設計で絞られている | 1年目でも事業の数字に直接影響しうる |
| 役割の名前 | 職種名と業務が一致しやすい | 同じ職種名でも中身が違うことがある |
成長の中身の分解の仕方は、ハブ記事のベンチャーで成長できるのは本当かで扱っています。「成長できる・できない」ではなく、任される範囲とフィードバックの量で見ると、入社前にも企業で差を比べやすくなります。
採用面談で確認されやすい観点の例
ベンチャーの採用面談で確認されやすい観点として挙げられやすい論点を3つ整理します。公的統計ではなく、各社の採用ページ・面談で見られる傾向を編集部で整理したものです。 制度上の必須項目ではなく、企業ごとに重視度が違います。
| 見ている点 | 面談で聞かれやすい聞き方 | ベンチャー側の背景 |
|---|---|---|
| 自走性(自分で課題を見つけて動けるか) | 「指示が無い中で何を始めるか」「学生時代に自分で決めてやったことは何か」 | 業務の切り分けが進んでおらず、動きが遅いと周囲が止まる |
| 曖昧さ耐性(答えが決まっていない状況で動けるか) | 「答えが無い課題にどう取り組むか」「迷ったときの決め方」 | 事業フェーズが動き、1年目でも途中で前提が変わる |
| 報連相の粒度(頻度・内容の設計ができるか) | 「上司への相談の頻度」「報告するか迷った経験」 | 少人数の組織で、相談の遅れが数字に直接出る |
出典:ベンチャーの採用担当者が面接で問いやすい観点として、就活サイトや採用ページで繰り返し取り上げられる論点を整理しました。制度上の必須項目ではなく、企業ごとに重視度が違います。
入社前に志望企業で確かめる3つのこと
若者雇用促進法では、新卒を募集する企業は、応募者などから求めがあった場合、次の3つの類型それぞれについて少なくとも1項目の情報を提供することになっています。
| 類型 | 主な項目 | 1年目に関係すること |
|---|---|---|
| (ア)募集・採用に関する状況 | 直近3事業年度の新卒採用者数・離職者数、平均勤続年数 | 1年目に辞める人の規模感 |
| (イ)職業能力の開発・向上に関する取組 | 研修の有無と内容、メンター制度の有無 | 誰から、どのくらいの頻度で教わるか |
| (ウ)職場への定着の促進に関する取組 | 前事業年度の月平均所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数 | 残業・休暇の実績 |
出典:厚生労働省「職場情報の提供制度」(新しいタブで開きます)。提供が義務になるのは各類型で1つ以上のため、どの項目が出るかは企業で違います。
ここまでが若者雇用促進法で定められた、応募者等から求めがあった場合に、各類型で少なくとも1項目の提供が必要な情報項目です。 下記の「配属先の人数」「辞めた人の進路」「1年目の業務例」などは制度上の必須開示項目ではなく、応募者が追加で確認したい任意項目です。両者を区別して伝えると、企業側も答えやすくなります。
知りたい項目を具体的に挙げて求めると、答えが返ってきやすくなります。全体の企業の見極め方は、ハブ記事のベンチャー企業の見極め方、入社前後の情報の取り方は親・周囲の反対にどう向き合うか、研修の中身の違いはベンチャーの教育体制・研修がない問題でも整理しています。
状況別の考え方
ケース1:ベンチャー1本に絞って就活している
1年目に起きる4つのうち、研修には規模差があります。志望企業の社員数が少ない場合は、「1年目に誰から、どのくらいの頻度で教わるか」を具体的に聞くと、研修の有無だけでは分からない育成の中身が見えます。
ケース2:大手の内定もあって迷っている
大手とベンチャーの1年目は、任される範囲とフィードバックの頻度で違いが出やすい項目です。「どちらが良いか」ではなく、自分が1年目で何を身につけたいかを1つ決めてから比べる方法があります。判断の順番は、ハブ記事のベンチャーと大手はどっちがいいかで整理しています。
ケース3:1年目で辞める可能性が気になる
参考として、新卒3年以内離職率を事業所規模別に見ます(ベンチャーに限った数値ではなく、事業所規模別の全体値です)。事業所規模30~99人の3年以内離職率は41.9%、1,000人以上で27.0%です(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(新しいタブで開きます)、2025年10月24日公表)。規模が小さいほど高い傾向はありますが、辞めた理由の1位は労働時間・休日・休暇です。ベンチャーかどうかより、志望企業の働き方の実績を入社前に確かめるほうが判断につながります。3年以内離職の背景はベンチャーを3年以内に辞める人と辞めない人の差でも整理しています。
ケース4:入社後に自分が成長できるか心配
新入社員意識調査では「自分が成長できるか」の不安が30.1%で、前年比+4.6ポイントで上昇していました。成長の中身を「任される範囲」と「フィードバックの量」に分けて考えると、志望企業で比べる軸になります。詳しくはベンチャーで成長できるのは本当かを参照してください。
よくある失敗と対策
| 失敗 | なぜ起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 「ベンチャーだから任される」で決める | 事業フェーズ・配属先の人数・採用人数で範囲が変わることを見ていない | 面談で「自分の配属先の人数」「同期の人数」「1年目で任される業務の例」を具体的に聞く |
| 研修の有無だけで育つかを判断する | 「研修がない=育たない」と結びつけている | 1年目に誰から、どのくらいの頻度で教わるかを聞く |
| 3ヶ月目のギャップで辞める判断を急ぐ | 育ちが見える時期(3ヶ月~半年)を知らない | 事実を書き出して相談する順番に切り替える |
| ネットの「ベンチャーは激務」で決める | 働き方の規模差が小さいことを知らない | 志望企業の前年度の月平均残業時間と有給の平均取得日数を聞く |
判断する前のチェックリスト
- 1年目に誰から、どのくらいの頻度で教わるかを確認した
- 配属先の人数と、同期の人数を確認した
- 1年目で任される業務の具体例を2つ以上聞いた
- 前年度の月平均残業時間と、有給の平均取得日数を確認した
- 直近3年の新卒採用者数・離職者数と、辞めた人の進路を聞いた
- 自分が1年目で身につけたいことを1つ決めた
よくある質問
ベンチャーの新卒1年目は、本当に大手より任される範囲が広いですか?
一律には言えません。範囲を決めているのは、事業のフェーズ・配属先の人数・新卒の採用人数の3つです。ベンチャーでは「少人数のチームに配属される」「同期が少ない」が重なりやすいため、結果的に範囲が広くなる場合があります。志望企業では、配属先の人数と1年目の業務例を具体的に聞いてください。
ベンチャーの新卒1年目は研修が少ないですか?
規模が小さいほど研修を行う事業所の割合は低い傾向があります。厚生労働省「令和7年度 能力開発基本調査」では、正社員にOFF-JTを行った事業所は30~49人の企業で53.0%、1,000人以上で85.4%でした。ただし、研修の有無と育つかどうかは別で、少人数の企業では先輩と並んで仕事をしながら教わる形もあります。
新卒1年目から残業が多いですか?
ベンチャーに限った公的な残業時間の数値はありません。有給の取得日数は30~99人の企業で11.3日、1,000人以上で12.8日と、規模差は年1.5日程度でした。残業の多さは企業ごとの差が大きいため、志望企業の前年度の月平均残業時間を確認すると判断しやすくなります。
ベンチャーの新卒は3ヶ月で辞める人が多いですか?
ベンチャーに限った3ヶ月時点の離職率は公表されていません。育成を担当する社員への調査では、新入社員の変化が見えるまでに「3ヶ月程度」が33.9%、「半年以上」が33.9%で、約7割が「3ヶ月以上」と回答しています。3ヶ月目で自分の状態を強く評価しすぎないことが、1年目を乗り越える前提になります。
新卒1年目で辞めたら、転職は難しくなりますか?
厚生労働省の若年者雇用実態調査では、1社目を辞めた大卒の離職理由の1位は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(32.8%)でした。中途採用の評価は会社の規模ではなく、1社目で何を任され、何ができるようになったかで決まる面が大きい項目です。詳しくはベンチャーから転職はできるのかの記事で整理しています。
新卒の配属が希望と違ったら、どうすればいいですか?
まずは3ヶ月~半年の時期を区切り、業務で学べていることを書き出してください。そのうえで、評価面談や1on1の場で希望を伝えると意図が通りやすくなります。感情で判断を急ぐより、事実を言語化してから相談する順番が有効です。
入社前に、1年目の実態をどこまで聞いていいですか?
若者雇用促進法では、応募者から求められた場合、企業は募集・採用の状況、研修などの取組、残業時間などの3つの類型ごとに1つ以上の情報を提供することになっています。知りたい項目を具体的に挙げて求めると、答えが返ってきやすくなります。
ベンチャーの新卒1年目で、成長を感じるのはいつ頃ですか?
育成を担当する社員への調査では、新入社員の変化を感じるまでに「3ヶ月程度」が33.9%、「半年以上」が33.9%で、約7割が「3ヶ月以上」でした。本人の実感は、評価面談や初めて一人で任された業務の節目で生じることがあります。入社直後の数週間で評価が決まるわけではありません。
入社後の不安が強いときに、相談できる相手はいますか?
社内では、育成担当者・配属先の先輩・人事が相談先になります。社外では、大学のキャリアセンターや就活支援サービスも使えます。身近に相談相手がいないと感じたら、感情だけでなく事実を1枚のメモに書き出してから話す形にすると、話が整理されます。
ベンチャーの新卒1年目で辞めずに続けている人の共通点はありますか?
公的な統計はありませんが、記事内で見た傾向から言えるのは、入社3ヶ月時点の自分を強く評価しすぎず、育成担当者や社外の第三者に事実ベースで相談する習慣を持っていることです。1年目の壁の時期(3ヶ月~半年)に、業務で学べたこと・詰まっていることを書き出して整理する習慣があると、辞めるかどうかの判断が感情だけに引きずられにくくなります。
まとめ
- ベンチャーの新卒1年目に起きることは、研修・任される仕事・働き方・1年目の壁の4つに分けると見通しやすい
- 公的データで規模の差が大きいのは研修。30~49人の企業でOFF-JTを行った事業所は53.0%、1,000人以上で85.4%
- 任される範囲は、事業フェーズ・配属先の人数・採用人数の3つで決まる。「ベンチャーだから広い」と一律に見ない
- 残業・休暇の規模差は小さく、休みやすさは企業ごとの差が大きい。有給の取得日数の差は年1.5日程度
- 新入社員の変化が見えるまでに「3ヶ月程度」33.9%、「半年以上」33.9%で約7割が3ヶ月以上。入社直後の自分を強く評価しすぎない
- 1年目で確かめるのは、研修の中身・配属先の人数・1年目の業務例・残業と有給の実績の4つ
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