面談を申し込む

TOP > 記事一覧 > ベンチャーを知る > 文系の新卒がITベンチャーで就ける職種、エンジニア以外の選び方と準備

ベンチャーを知る

文系の新卒がITベンチャーで就ける職種、エンジニア以外の選び方と準備

公開 更新 この記事は約20分で読めます

文系の新卒がITベンチャーで就ける職種は、エンジニア以外にもセールス・CS・マーケ・事業開発・PdM補助など複数あります。選び方の3つの軸と入社前の準備を公的データで整理し、ケース別の対策までまとめます。

先に結論

  • 対象は、ITベンチャー企業に関心があり、文系の学部・大学院に在籍している大学生・大学院生です。「文系だからエンジニアしかない」という思い込みを持っている人にも読み物として役立ちます
  • 文系の新卒がITベンチャーで就ける職種は、エンジニア以外にセールス・カスタマーサクセス・マーケティング・事業開発・PdM補助・コーポレートなど複数あります。公開求人では「ビジネス職」「総合職」の名称でまとめて募集される会社も多くあります
  • 情報通信業は、新規大卒就職者の3年以内離職率が27.2%で全産業平均の33.8%より低く、離職率が高い業界ではありません(厚生労働省・令和4年3月卒業者)
  • 職種を選ぶときは①数字で評価されるか/プロセスで評価されるか ②顧客と向き合うか/社内で動くか ③汎用スキルが身につくか/専門性に寄るかの3軸で整理すると、自分の優先軸が見えやすくなります
  • 入社前の準備は、全職種共通のIT業界リテラシー(SaaS・PdM・ARR・MRRなどの用語)から始め、志望職種に応じて長期インターン・資料読解・簡単な技術理解に分岐させます。プログラミングの本格学習は、PdM・BizDevの一部で有効ですが、ビジネス職の必須条件ではありません

この記事で分かること

  • 文系の新卒がITベンチャーに入れるか、業界統計から見た実態
  • 文系が就けるITベンチャーの職種の整理(エンジニア以外の選択肢)
  • 職種を選ぶときの3つの軸と、優先軸の決め方
  • 入社前の準備の順番と、職種別の分岐
  • 学部・経験・志望度別のケース別の進め方
  • 文系が選考で不利と言われる場面と、対策
  • よくある失敗と、面接前のチェックリスト

職種の候補が複数あるときの絞り方や、文系の自分に合う準備の順番を一緒に整理できます

文系がITベンチャーに新卒で入れるか、業界統計から見た実態

結論から言うと、公開求人を見る限り、文系の新卒でも応募できるITベンチャーのビジネス職はあります。公開されている求人や統計を手がかりに、業界の実態を見ていきます。

情報通信業は離職率が全産業平均より低い

ITベンチャーが多く属する情報通信業は、厚生労働省の調査では3年以内離職率が全産業平均より低い業界です。

産業新規大卒就職者の3年以内離職率
全産業平均33.8%
情報通信業27.2%
製造業20.6%
宿泊業・飲食サービス業55.4%
生活関連サービス業・娯楽業54.7%

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(新しいタブで開きます)(令和7年10月24日公表)。令和4年3月卒業の先輩世代の数値で、28卒自身の数値ではありません。産業分類は日本標準産業分類の大分類で、情報通信業にはIT・通信・放送・出版などが含まれます。

情報通信業全体の数値であり、「ITベンチャー」に限定した数値ではありません。ベンチャー企業単体の離職率を示す公的データはなく、情報通信業の数値は参考値として読み取ります。離職率の読み方はベンチャーの離職率はどう見るか、数字の読み方と面接で聞く方法で詳しく整理しています。

「文系はエンジニアしかない」は誤解

ITベンチャーの採用ページを複数見ると、新卒の募集職種はエンジニア以外にも複数の呼び方で用意されています。

  • ビジネス職・総合職・ビジネスディベロップメント:営業・事業開発・企画を含む総称
  • セールス(インサイドセールス・フィールドセールス):顧客に直接向き合う職種
  • カスタマーサクセス(CS):契約後の顧客の活用を支援する職種
  • マーケティング:広告運用・SEO・SNS・イベントなど
  • PdM・PdM補助(アシスタント・アソシエイト):プロダクトマネジメントの職種
  • コーポレート(人事・採用・広報・経営企画):会社の運営を支える職種

ビジネス職では、募集要項に「学部・学科不問」と記載されている会社もあります。応募前には、各社の採用ページで応募資格の記載を直接確認してください。「学部・学科不問」と明記されていれば、少なくとも応募資格の段階で文系であること自体が不利条件とはされにくいと読めます。

「ベンチャー」「スタートアップ」に法律上の定義はありません。参考として、中小企業基本法第2条(新しいタブで開きます)ではサービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下が中小企業とされています。ベンチャーと中小企業の違いはベンチャー企業と中小企業の違い、就活生が見分けるポイントで整理しています。

文系の新卒が就けるITベンチャーの職種の整理

文系の新卒がITベンチャーで就ける職種は、大きく6つの分類で整理できます。それぞれの仕事内容と、どの職種が自分に向きそうかの手がかりになる観点を見ていきます。

6つの職種の全体像(公開募集で見られる区分の例)

職種分類公開募集で見られる呼び方の例主な仕事内容の例
セールス(営業)インサイドセールス、フィールドセールス、新規営業リード対応、商談、契約締結までの顧客対応
カスタマーサクセスCS、オンボーディング、カスタマーサポート契約後の顧客の立ち上げ・活用支援、継続率向上
マーケティングデジタルマーケ、SEO、広告運用、SNS、イベントリード獲得、認知拡大、コンテンツ制作
事業開発・企画BizDev、事業企画、新規事業、戦略企画パートナー開拓、提携、新規サービス立ち上げ
プロダクトPdM、PdM補助、プロダクトアソシエイトプロダクトの要件整理、優先順位決め、ユーザー調査
コーポレート人事、採用、広報、経営企画、法務補助採用活動、PR、組織運営、経営数値の整理

上の分類は公開されている採用ページの職種名を参考に、代表的な呼び方を並べたものです。会社によっては「ビジネス職」「総合職」としてまとめて募集し、入社後に配属を決める会社もあります。職種別採用と総合職採用の違いはベンチャーの職種一覧、新卒で就ける7つの仕事と配属が決まる仕組みで整理しました。

職種ごとの標準的な仕事内容は、厚生労働省編職業分類(令和4年改定)(新しいタブで開きます)や職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag(新しいタブで開きます)で確認できます。公的な分類で「ITベンチャーの新卒ビジネス職」というカテゴリは存在しないため、志望する会社の採用ページで募集要項の「業務内容」欄を読み、公的な職業分類と重ねて理解する流れがおすすめです。マーケティング職の詳細はベンチャーのマーケティング職に新卒で就くには、求められる経験と準備の順番で別に整理しました。

就活生

文系の自分がITベンチャーに入っても、エンジニアに囲まれて浮かないか不安です。社内で肩身の狭い思いをするのではないかと思っています。

ベンチャールーキーズ編集部

エンジニア職とビジネス職は、同じ会社の中でも役割分担が明確に分かれています。採用ページで「エンジニア」「ビジネス職」が別の職種として募集されている会社では、入社後の業務も別のラインに乗ります。

文系・理系の区別より、自分がどの職種で何をやるかの方が、入社後の居場所を決めます。例えばセールスやCSは顧客との直接のやり取りが中心で、プロダクトの技術的な詳細を全て理解していなくても業務は進みます。PdM補助は技術の理解が多少必要になりますが、入社後に学ぶ前提の採用も見られます。

社内のコミュニケーションでは、エンジニアと話す場面はありますが、技術の深い議論は職種を超えて要求される場面は限定的です。心配なら、志望する会社のビジネス職の新卒社員が公開しているnote・ブログを読むと、入社後の実感を掴みやすくなります。

ITベンチャーの職種のうち、どれが自分に向きそうかの絞り込みから相談できます

自分の志向がベンチャー向きかどうかは、ベンチャー適性診断(14問・約3分)で確かめられます。

職種を選ぶときの3つの軸

同じITベンチャーの中で複数の職種に迷ったときは、3つの軸で整理すると優先軸が見えやすくなります。

軸1:数字で評価されるか、プロセスで評価されるか

職種によって、評価の指標は数字の達成度に寄るものと、プロセス・質に寄るものに分かれます。

評価の寄り方職種の例評価指標の例
数字寄りセールス、マーケティング(広告運用)商談化数、受注数、CPA(獲得1件あたり広告費)、ROAS(広告費用対効果)
数字とプロセスの中間カスタマーサクセス、マーケティング(SEO・SNS)継続率、アップセル、流入数、エンゲージメント
プロセス寄りPdM、事業開発、コーポレートロードマップの達成度、提携数、採用計画の進捗

数字寄りの職種は、月次・四半期で達成度が可視化されるため、成果が分かりやすい反面、プレッシャーが継続的にあります。プロセス寄りの職種は、長期の視点で評価されるため、成果が見えにくい代わりに、腰を据えて取り組めます。

軸2:顧客と向き合うか、社内で動くか

顧客との距離の近さも、職種によって大きく違います。

顧客との距離職種の例
近い(直接の対応)セールス、カスタマーサクセス、イベントマーケ
中間(間接の対応)デジタルマーケ、SEO、PdM
遠い(社内中心)コーポレート、事業開発(提携交渉を除く)

顧客との対話が苦にならない人は、セールスやCSで強みを出しやすい一方、社内で考える時間を長く取りたい人には、PdM補助やコーポレートの方が合うことがあります。自分がどちらに力を発揮しやすいかは、学生時代の活動(アルバイト・サークル・ゼミ)で、人と話す時間と1人で作業する時間のどちらに充実感を得てきたかで、ある程度推測できます。

軸3:汎用スキルが身につくか、専門性に寄るか

職種によって、入社後に身につくスキルの汎用性にも差があります。

スキルの性質職種の例
汎用的(他業界でも使いやすい)セールス、カスタマーサクセス、コーポレート(人事・経理)
業界・プロダクト固有デジタルマーケ(広告運用)、PdM、事業開発

ファーストキャリアで汎用的なスキルを身につけたい人は、セールスやCS、コーポレートの選択肢が有力です。IT業界に長く残りたい人は、PdM補助やデジタルマーケで業界固有のスキルを早く積む選択肢もあります。1社目の経験が転職市場でどう評価されるかはベンチャーから転職はできるのか、新卒1社目の経験がどう評価されるかで整理しました。

3軸全てを完璧に満たす職種はありません。自分がどの軸を優先するかを決めると候補が絞られます。例えば「数字評価×顧客と向き合う×汎用スキル重視」ならセールス、「プロセス評価×社内中心×業界固有のスキル」ならPdM補助、のように絞ります。ベンチャーで成長できる会社の見極め方は、職種選びと別軸でベンチャーで成長できるのは本当か、新卒が伸びる会社と伸びない会社の差で整理しました。

文系の新卒が入社前に進めたい準備、職種別の順番

文系の新卒がITベンチャーの選考・入社を控えて進めたい準備は、全職種に共通するものと、職種別に分岐するものに分かれます。

全職種に共通する準備

準備項目内容目安期間
IT業界の基礎用語SaaS(Software as a Service。クラウドで提供するソフト)、ARR・MRR(年間・月間の継続売上)、PdM(プロダクトマネージャー)、BizDev(事業開発)、CAC(顧客獲得単価)、LTV(顧客生涯価値)などの用語の意味を押さえる1~2週間
業界の構造理解SaaS業界、受託開発、Web広告、EC、HR Tech などの事業領域の違いを押さえる2~4週間
志望企業の情報収集コーポレートサイト・採用ページ・経営者のインタビュー・プレスリリース・業績資料1社あたり1~2日

IT業界用語は、1冊の入門書と各社の採用ページを読むことで、2~4週間で全体像を押さえられます。暗記ではなく「この会社の事業はどの領域に属するか」を判断できるレベルを目指します。

職種別の準備

  • セールス志望:営業の基本(SPIN・BANT・インサイドセールスとフィールドセールスの違い)を押さえ、長期インターンでBtoBの商談経験を積むと、面接で話せる材料が増えます
  • カスタマーサクセス志望:顧客のオンボーディング・ヘルススコア・継続率などのCS固有の用語を押さえます。長期インターンでCSの実務経験は希少なため、顧客対応の経験(アルバイトでも可)を言語化しておくと使えます
  • マーケティング志望:広告運用・SEO・SNS運用のいずれかで、長期インターンに取り組むと、応募時に話せる具体例ができます。詳細はマーケティング職の記事で分岐しました
  • 事業開発・企画志望:ビジネスモデルキャンバス・SWOT・市場分析の基礎を押さえ、ビジネスコンテストや新規事業プロジェクトの経験があると、面接で話せます
  • PdM補助志望:プロダクトの要件定義・ユーザーストーリーの書き方などPdM固有の知識を押さえます。簡単な技術の理解(データベース・API・HTMLの基礎)があると、エンジニアとの対話で有利になります
  • コーポレート志望:採用・広報・経営企画のどれかに絞り、企業の採用ページで新卒コーポレート職の募集状況を確認します。新卒でコーポレート単独の募集は少ないため、総合職入社後にコーポレートに配属される流れも想定しておきます

プログラミング学習の是非

「文系だからプログラミングを学んだ方がよいのか」という質問は多く聞かれます。結論から言うと、ビジネス職の必須条件ではありませんが、以下の場合は有効です。

  • PdM補助・BizDev志望:簡単な技術の理解があると、エンジニアとの対話で有利になります
  • IT業界への志望度を示したい場合:Progate・ドットインストールなどの入門教材で、HTMLとCSS、簡単なSQLに触れておくと、面接で「IT業界への関心」を具体的に話せます

セールス・CS・コーポレート志望では、プログラミング経験よりも、職種理解・顧客対応経験・数字を扱った経験が重視されやすい傾向があります。時間が限られているなら、志望職種の実務経験(長期インターン・アルバイト)に時間を振る選択肢もあります。長期インターンの意味合いはベンチャーの長期インターンは意味があるか、就活につながる人とつながらない人でも扱っています。

選考までの時間軸

時期やること
大学3年の春~夏業界理解・用語の基礎・志望企業のリストアップ
大学3年の夏~秋夏インターン・秋冬インターンの応募・参加
大学3年の秋~冬自己分析・ESの型づくり・面接の練習
大学3年の冬~4年の春早期選考・本選考への応募

早期選考のスケジュールは会社によって異なります。ベンチャーの早期選考の時期はベンチャーの早期選考はいつから何をするか、インターンから内定までの流れで整理しました。自己分析の進め方は自己分析のやり方、ベンチャー志望が最初にやる3ステップを参照してください。

ケース別:学部・経験・志望度別の進め方

同じ「文系の新卒」でも、学部・学年・学生時代の経験で、進め方は変わります。よくある3つのケースを整理します。

ケース1:経済・経営・商学部で、ビジネス職志望

  • 使いやすい職種:セールス、CS、マーケティング、事業開発
  • 強み:ビジネスの基礎用語(損益・キャッシュフロー・マーケティング4Pなど)を学部で学んでいる
  • 準備のポイント:学部で学んだ知識を、志望企業の事業にどう当てはめるかを言語化する。IT業界固有の用語(SaaS・ARRなど)は追加で押さえる
  • 深掘り:「学部の知識を実務でどう使いたいか」を1~2文で答えられるようにする

ケース2:法・政治・社会・文学・外国語・国際・教育学部で、ビジネス職志望

  • 使いやすい職種:コーポレート(人事・法務補助)、CS、BizDev、マーケティング、PR
  • 強み:論理的な文章作成、交渉・調整の素養、言語能力、異文化理解、教育・コンテンツ領域への感度
  • 準備のポイント:学部での経験(ゼミ・レポート・留学・教育実習など)をビジネスの文脈にどう翻訳するかを整理する。「英語ができる」だけでは足りないため、どの業務で活かしたいかを一文で用意する
  • 深掘り:「なぜ学部の専攻ではなく、ビジネス職なのか」を聞かれる前提で、学部での関心とビジネスへの関心の接続を言語化しておく

ケース3:学生時代に特別な活動がない場合

  • 使いやすい職種:セールス、CS、コーポレート、長期インターン枠からの早期選考
  • 準備のポイント:「学生時代に特別な活動がない」と自己評価していても、アルバイト・ゼミ・サークル・友人関係の中に、言語化できる経験は1~3つはあります。長期インターンに今から取り組む選択肢もあります
  • 面接では、「特別な経験がない」ことを隠さず、「限られた経験の中で何に取り組んできたか」を具体的に話す方が、話を広げやすい

学部・経験でベンチャーに向いているかの判断はベンチャーに向いてる人・向いてない人、新卒版の判断基準で別の切り口から整理しました。学歴フィルターの実態はベンチャーは学歴を見ないのか、学歴フィルターの実態と対策を参照してください。

採用する側が文系新卒のどこを見ているか、大手との違い

ITベンチャーの採用では、文系・理系の区別より、職種への理解と入社後の立ち上がりが評価軸になります。先輩世代(26卒)の採用で企業が重視した項目は、公開調査で以下の順に出ています。

項目企業が採用基準で重視
人柄93.8%
自社への熱意73.4%
今後の可能性71.0%
性格適性検査の結果38.8%
アルバイト経験31.4%

出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所『就職白書2026(新しいタブで開きます)』(企業調査1,161社、2025年12月~2026年1月、複数回答)。26卒採用で企業が答えたデータで、28卒自身の数値ではありません。

大手とベンチャーで、見られ方は何が違うか

大手とベンチャーで評価軸の中心が変わる傾向があります。

観点大手の採用で見られやすい点ベンチャーの採用で見られやすい点
配属前の情報総合職採用で部署未定が多い職種別採用で入社後の業務が見えやすい会社も多い
入社後の育成新卒研修・配属研修・ジョブローテOJT中心で、短期間での立ち上がりが期待されやすい
評価の時間軸数年単位の育成前提月次・四半期での成果の見える化

ベンチャーで文系新卒に期待される立ち上がり方は、職種理解・顧客理解・数字への抵抗感の少なさ・学習の継続力・「なぜITベンチャーか」の言語化の5点に集中しやすい傾向があります。面接では、学部で学んだことよりも「入社後の業務を自分で言語化できるか」「分からないことを聞きに行けるか」が見られます。大手との比較はベンチャーと大手はどっちがいいか、新卒の1社目を決める判断の順番で別の切り口から整理しました。大手を選ぶ結論も、公務員を選ぶ結論も、同じ就活の正解の一つです。本記事は「ITベンチャーに関心がある文系新卒」向けに書いていますが、進路の選び方そのものに迷いがある場合は、ベンチャーに向いてる人・向いてない人、新卒版の判断基準も参考にしてください。

よくある失敗と対策

文系新卒がITベンチャーの選考で起こしやすい失敗は、3つのパターンに集中します。

  • 「文系だから」を言い訳にして準備を絞らない:学部を理由に準備の範囲を限定すると、業界理解が追いつかず、面接で浅さが見えます。対策は、文系・理系を問わず全職種共通の準備(業界用語・業界構造・志望企業の情報収集)を先に押さえる
  • 職種を絞らずに「IT業界で何かやりたい」で応募する:複数職種にまとめて応募すると、選考で志望動機が薄く見られます。対策は、本記事の3軸で候補を2~3職種に絞り、職種別の志望理由を1本ずつ用意する
  • プログラミング学習に時間を使いすぎて、志望職種の実務経験が積めない:ビジネス職志望なのに技術学習に時間を取られ、長期インターン・アルバイトの経験が薄くなるパターンです。対策は、志望職種に直結する経験を優先し、技術学習は補助として位置づける

文系が選考で不利と言われる場面と、対策

「文系はITベンチャーで不利」と言われる場面は、実際にはいくつかの誤解を含んでいます。よく聞かれる4つの場面を、実態と対策で整理します。

  • エンジニア職に応募するとき:応募要件に「プログラミング経験」が明記されている会社では、文系・理系に関わらず未経験は不利になります。エンジニア志望なら独学・スクール・長期インターンで技術経験を積むか、「文系・エンジニア」の採用枠がある会社に絞ります
  • PdM・技術と近いBizDevに応募するとき:技術の理解が業務上必要な職種では、学生時代に技術に触れた経験の有無で見られることがあります。技術入門(HTMLとCSS、簡単なSQL、API)を触っておくと、面接で「技術への関心」を具体的に話せます
  • ESで技術関連の質問を受けるとき:ビジネス職の応募でも「IT業界への関心のきっかけ」「使っているSaaSやアプリ」を聞かれることがあります。日常で使っているサービスを、ユーザー視点だけでなくビジネス視点(どういう仕組みで儲けているか、どういう課題を解決しているか)で説明できるように整理します
  • 面接で「数字に強いか」を聞かれるとき:文系出身を理由に数字が苦手と判断されることはなく、学生時代の経験で数字に触れたエピソード(売上管理、アンケートの集計、予算管理など)を1~2つ用意しておきます

よくある質問

Q1. 文系の新卒がITベンチャーに入るとき、学部は関係ありますか

応募要件で学部を限定している募集は限定的です。ビジネス職の多くは学部不問で、エンジニア職も「情報系学部出身」が条件になっていない会社があります。学部よりも、志望職種に関連する経験(長期インターン・アルバイト・ゼミ)があるかの方が選考で見られます。

Q2. ITベンチャーの新卒年収はどのくらいですか

会社ごとに差があり、幅広い金額が設定されています。公的統計では、新規学卒者(大学)の全産業平均の賃金は月額262.3千円(令和7年調査、男女計)です(厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和7年)(新しいタブで開きます)。先輩世代の数値)。ITベンチャーの提示額は会社ごとに公開求人を確認する必要があります。

Q3. 文系の新卒でPdM・プロダクトマネージャーに就けますか

新卒のPdM単独募集は多くありませんが、「PdM補助」「プロダクトアソシエイト」の名称で新卒を募集している会社があります。文系・理系の区別は求人要件には書かれないことが多く、技術の基礎的な理解とプロダクト志向のあるエピソードが選考で見られます。

Q4. エンジニア志望に転向するなら、いつから準備すればいいですか

本気で転向するなら、大学3年の夏までには学習を始めると応募時期までに実務経験を積みやすくなります。独学・スクール・長期インターンのどれで始めるかは、自分の学習ペースと予算で選びます。公的な職業情報はjob tag(新しいタブで開きます)で確認できます。

Q5. 面接で「文系なのになぜIT業界か」と聞かれたらどう答えますか

「学部の専攻とは別の関心」として、IT業界への関心のきっかけを具体的に話すのが答えやすい答え方です。例えば「学部で◯◯を学ぶ中で、情報の非対称性が◯◯の問題の背景にあると感じ、情報を扱う会社の中でも△△の方法を取っている御社に関心を持った」のように、学部とITへの関心の間に接続の一文を挟みます。「なぜベンチャーなのか」の答え方は「なぜベンチャーなのか」と面接で聞かれたときの答え方と志望動機の作り方でも整理しました。

Q6. 長期インターンの経験がないと、ITベンチャーのビジネス職は厳しいですか

応募できないわけではありませんが、長期インターン経験者と比べると実務のイメージを持っている度合いで差がつくことはあります。アルバイト・ゼミ・サークルの中で、ビジネス職と重なる経験(数字管理、顧客対応、課題解決、提案)を1~2つ言語化しておくと、面接で話せる材料が増えます。

Q7. ITベンチャーの選考ではどのWebテストが使われますか

会社ごとに異なり、SPI・玉手箱・GAB・CABなどが見られます。募集要項の「選考フロー」欄に明記されていることが多いため、志望企業ごとに確認します。大学3年の夏までには1冊の対策本を解いておくと準備が間に合いやすくなります。

Q8. 技術の勉強を全くしないままビジネス職で入ると、入社後に苦労しますか

ビジネス職の業務で技術の深い知識は必須ではありません。ただし入社後にエンジニアと会話する場面があるため、「DB」「API」「クラウド」などの基礎用語が分かるレベルがあると業務のキャッチアップが早くなります。入社後の実態はベンチャーの新卒1年目に実際に起きること、入社直後の3ヶ月で起きる変化で整理しました。

Q9. 大学4年の秋から、ITベンチャーの選考を受けるのは遅いですか

大学4年の秋以降でも、ベンチャーの選考を受けられる会社はあります。ベンチャーの中には、通年採用や追加募集、既卒・第二新卒採用を行う会社もあります。詳細は内定がないまま4年生になったら、ベンチャーの選考はまだ受けられるかで整理しました。

Q10. ITベンチャーに入ったら、将来の転職は不利になりますか

中途採用市場では、職種経験や実務で身につけたスキルが評価対象になります。厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、企業が今後3年間で「転職者を優先して採用したい」と答えた割合は40.0%で、「新規学卒者を優先」の9.8%を上回っています(厚生労働省 転職者実態調査(令和7年)(新しいタブで開きます)。IT業界に限定した数値ではありません)。詳細はベンチャーから転職はできるのか、新卒1社目の経験がどう評価されるかで整理しました。

Q11. 募集要項の業務内容が抽象的でよく分かりません

カジュアル面談で直接聞く選択肢があります。選考前の情報収集の場で、ビジネス職の具体的な業務内容、新卒の配属パターン、入社後のキャリアパスを直接聞けます。カジュアル面談で聞くとよい質問はカジュアル面談で何を聞くか、新卒がベンチャーを見極める質問で整理しました。

まとめ

文系の新卒がITベンチャーで就ける職種は、エンジニア以外にもセールス・CS・マーケ・事業開発・PdM補助・コーポレートの6分類があり、職種を選ぶときは数字評価/顧客距離/スキル汎用性の3軸で整理すると優先軸が見えやすくなります。

  • 情報通信業の新規大卒3年以内離職率は27.2%で全産業平均の33.8%より低い(厚生労働省・令和4年3月卒)
  • 文系が就けるITベンチャーのビジネス職はエンジニア以外に6分類あり、学部不問で募集されている職種が多い
  • 職種選びの3軸は、①数字評価/プロセス評価 ②顧客との距離 ③スキルの汎用性/専門性
  • 入社前の準備は、IT業界用語・業界構造・志望企業の情報収集を全職種で押さえ、志望職種に応じて長期インターン・技術基礎に分岐させる
  • プログラミング学習は、ビジネス職の必須条件ではなく、PdM補助・BizDevの一部で有効
  • 文系が選考で不利と言われる場面は、エンジニア職とPdM・BizDevの一部に限定され、ビジネス職では学部より経験・考え方の方が重く見られる

次のステップとして、志望職種の候補を2~3つに絞り、それぞれの職種で入社前に積みたい経験(長期インターン・資格・勉強内容)を書き出してみてください。志望先選びの全体像はベンチャーで成長できるのは本当か、新卒が伸びる会社と伸びない会社の差、面接対策全般は28卒の面接対策は何をすればいいか、採用する側が見ている3つの評価軸、職種の全体整理はベンチャーの職種一覧、新卒で就ける7つの仕事と配属が決まる仕組みを参照してください。

運営:株式会社ヘルスベイシス/ベンチャールーキーズ編集部

インターン企業の見極め入社後のリアル自己分析

ベンチャールーキーズ編集部
公的機関や調査会社が公表しているデータをもとに記事を作成しています。ES添削・面接対策などの相談には、新卒採用の選考に携わってきたメンバーが対応します。

関連記事

無料面談を申し込む